稲妻→中・短

□偉大なペン様
1ページ/30ページ

帝国学園
強者揃いの サッカー部
皆から一目おかれ、ファンクラブ等かある
しかし そんなサッカー部はアタシの悩みの種でしかない





鬼道「咲兎!」
佐久間「咲兎!」



『はぁ』





鬼道と佐久間は 練習が一区切りすると
図書室にやってくる
理由は 図書委員のアタシに会いに来るため
これだけ聞くと好かれてると思うだろ?
現実は甘くないんだよ





佐久間「今日はペン様居ないのか?」



鬼道「バカか、咲兎とペン様は一心同体だ」





ペン様 アタシの家族であり
ペンギンである
理事長から許可をもらい 一緒に学園生活を送っている
何故ペンギンか?
小さい頃 家族と一緒に南極に行ったとき
帰ってから鞄を開けると 中に入っていたから(あのときは驚きすぎて声がでなかったのを覚えている)





源田「咲兎、二人がそっちに…」



『はぁ』





二人がかりでアタシに詰め寄っている中
図書室に入ってきたのは 保護者の源田である
状況を把握した源田は二人の襟をつまんでアタシから引き剥がした





鬼道「源田!?」



佐久間「くっ!離せ!」



源田「咲兎が困ってるだろ」



『…はぁ』





本日三度目のため息
これでも少ない方である
酷いときは 総帥に呼ばれているにも関わらずペン様に会いに来ているときがある





『…ペン様ならプールに居るよ』



鬼道「そうか!行くぞ佐久間!」



佐久間「当たり前だ!」





嵐のような二人は
目をキラキラさせて図書室を出ていった





源田「…はぁ」
『はぁ』





やっと静かになり アタシと同時にため息をついた





源田「苦労してるな」



『保護者程じゃないよ』



源田「誰が保護者だ」



『自覚してないのか?それとも認めたくないのか?』





源田が言い換えそうと口を開いた瞬間





ペタタタタタタッ
ダダダダダダッ





聞き覚えのある足音がこっちに向かってきていた
またか と頭を抱える

ガラッと開いた扉に目をやると
必死で逃げているペン様と
それを追いかけている鬼道と佐久間

ペン様はアタシを見つけるなり
飛び付いて背中に回った
それが不満だったのか 鬼道の眉間にシワができる





鬼道「俺には飛び付いてこないのに…」



『んな形相してるやつに誰がいくか』



佐久間「俺もない!」



『以下同文だ』





背中に回っていたペン様の頭を撫でると
安心したのか 背中に擦りよってくる





源田「相変わらずペン様は咲兎が好きなんだな」



『ここまで好かれるようなことしてないけどね』



鬼道「何で俺じゃないっ!」
佐久間「俺の方がペン様の事好いているのにっ!」



『黙れペンギンバカ』





二人はペン様に触ろうとてを伸ばした
しかし





【鬼道有人、佐久間次郎、至急総帥の元に】





校内アナウンスが流れ 二人の行動は阻止された





『ほら、総帥が呼んでるよ』



鬼道「咲兎、今日は最後までいるのか?」





最後まで サッカー部の練習が終わるまで





『居なかったら後々煩いだろ?今日はやることないから居るつもり』



佐久間「そうか!よし、行くぞ鬼道!」



鬼道「あぁ。じゃぁペン様、また後でな」





再び二人揃って図書室を出ていった
ため息しかでないよ





源田「ペン様は二人が苦手なのか?」



『にやけっ面で追ってこられたら誰だって逃げるだろ』



源田「確かに」





源田はペン様の頭を撫でながら
苦笑いした
別にアタシ以外になつかない わけではない
あの二人が異例なんだ





影山「甲酒は居るか?」



『総帥?あの二人は?』





図書室に入ってきたのは 先ほど二人を呼び出した総帥である





影山「あぁでもしないと甲酒と話せないからな」



『はは、笑いしか出ませんよ』





封筒をアタシに渡すなり ニヤニヤしている総帥
嫌な予感





『…見ないとダメですか?』



影山「拒否権があると思うか?」





ため息をついてなかを見ると
【雷門練習試合】と書かれていた





『雷門…』



源田「あの弱小の?そんなところと練習試合?」





はぁ 有り得ない





影山「ふっ甲酒には分かったみたいだな」



『悲しいながら』



影山「これを機にマネージャーに」
『なるわけねぇだろグラサン』
源田(総帥にんな事言えるの咲兎ぐらいだ…)





総帥はストーカーのようにアタシにマネージャーを勧めてくる(強制した瞬間ボールペンを投げてやった)

雷門と練習試合
確か豪炎寺修也が雷門に転校したと聞いた
つまり





『…相変わらずの趣味』



影山「甲酒は私を勘違いしてないか?」



『まさか』





次のページには 合宿 と書かれていた
見た瞬間に袋になおして





ビリっ





影山「甲酒!」
源田「咲兎!?何してるんだよ!」



『反抗期なんだ。あいにくアタシは忙しい(ペン様の世話など)よってサッカー少年の面倒など見てられるか』





キッと睨みながら言うと後ろに下がる二人





『だいたいサッカーに関して無知』



影山「弟が雷門サッカー部らしいな」



『……無知に変わりはない』



源田(とうとう敬語すら無くなった)



影山「…仕方ない、今回は下がろう」



『一生下がっててください。つか諦めろ』





眉間にシワを寄せ では と去っていく総帥

なんなんだ今日は
こんなに疲れたのは久々すぎる
あれだ 雷門サッカー部キャプテンの円堂に絡まれた以来だ





『はぁ…幸せになりたい』



源田「あんまり溜め込むなよ?」



『ありがと。オカン』



源田「咲兎は俺をなんだと思ってるんだよ…」





何って…帝国学園のオカン
言いたいことが分かったのかため息をついて頭を撫でられた





鬼道「ペン様!」
佐久間「ペン様!サッカー部に行こう!一緒に練習しよう!」





はぁ このペンギンバカを忘れてた





(帰れ。コートに帰れ。今すぐ帰れ。真っ直ぐ帰れ)
(咲兎、流石に酷く…)
(おい佐久間!あまりペン様に触るな!)
(んだよ鬼道!お前こそ触りすぎなんだよ!)
(…聞いちゃいないな)
(はぁ…アタシの幸せはどこ?)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ