桜、舞い散る
□私を見つけて
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──退屈だったんだ
死にそうなくらいに
「そう言えば、何か忘れてるような…」
桜花は記憶を思い起こす。
(確か…、あ!!!金蝉童子に呼ばれた)
それは一方的に言われた事で桜花はそれに返事をしていない。
しかし、桜花の足は自然とその方向に向かっていた。
(会いたい…)
そう思ってしまう自分がいる。
なんとめんどくさい感情なのであろう。
惹かれている自覚があるだけに、この衝動を止めることはできない。
だが、桜花はあることに気づく。
(そういえば、彼の居場所がわからない。…それどころか部屋が何処にあるのかさえ覚えてない)
桜花は頭を抱える。
「まぁ、あの時は頭が朦朧としてたし…」
そう言って、自分に言い含める。
「とりあえず、あそこに行こうかしら」