桜と永久の約束

□天から落ちてきた
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「!?」




ジャラ。




白く細長い四肢には黒い枷が付いていた。



「おいおい。なんだよこれ」


「これは…」


「「……」」



三蔵と悟空は同じことを考えていた。
悟空は悲しそうに眉を寄せる。


悟空と三蔵が始めて出会ったとき、悟空にもついていたのだ罪人の印…黒い枷。



「どけ」



八戒が振り返るとそこには先程まで黙って佇んでいた三蔵の姿があった。



「三蔵?」


「いいからさっさとどけ」



八戒は三蔵の表情から何かを読み取り、すっと悟浄の傍から離れる。
三蔵は周りこみ悟浄の目前に膝をつく。



「何?ひ弱な三蔵様がこいつを持つってか?無理だろ」



顔に脂汗を浮かべながら悟浄はニヤリと笑う。



「そいつに触るな」



三蔵は、黒い布から出ている白く細い手に触れる。
突如…



パキンッ



音をたてて、枷は壊れる。



ゴッ、ゴトッ。



枷は地面に落下する。
その音から、枷の重さが計り知れた。
途端に黒い塊は軽くなる。



「おい、なにしたんだ?」


「……。…よこせ」



三蔵は悟浄を睨みつける。
            

「……。へいへい」



悟浄はしぶしぶ三蔵に渡す。
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