桜と永久の約束
□銀の眼、失くしたモノ
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――とある小さな街・宿
三蔵一行は街へたどり着いた。
現在、彼らは小さい宿屋にいた。
一人部屋には、一人の女が眠っている。
それを傍で見つめる金の瞳。
「こいつ、大丈夫かな?」
「そのうち起きると思いますよ。呼吸も脈拍も安定してますし、外傷も特にありません。
今はそっとしてあげましょう」
「……」
三蔵は黙って、壁に寄りかかり女を見つめ続ける。
そんな彼を、椅子に座りながら煙草を吸っている悟浄はチラリと見ていた。
「さてと、こんなに群がってるのもあれだし、あとは八戒に任せて俺らは部屋に戻ろうぜ」
「え!嫌だ!俺、こいつが目覚めるまでここにいる!!」
「はぁ?何言ってんだよ。お前がここにいても邪魔になるだけだろーが」
「でも―――」
「ちょっと二人とも、彼女が眠ってるんですから大声出さないでください」
「ぁ、ごめん」「へいへい、すいませんでした」
「それと、悟浄。部屋に戻るのは待ってください」
「あ?」
悟浄は器用に片眉だけを上げる。
「貴方は、僕と一緒に買出しです。あと、一応念のため医者を呼びに行きます」
「なんで、俺なんだよ!!!悟空か三蔵でもいいじゃねぇか!」
「良いじゃないですか、さぁ行きますよ悟浄」
そう言って、八戒は悟浄の背を押して部屋から出す。
「ということで三蔵、悟空、彼女のこと頼みますね。すぐに戻りますから。行きますよジープ」
「キュー」
八戒の後に白い竜がついていく。
「いってらっしゃい!」
こうして、悟空と三蔵は部屋に残された。