桜と永久の約束

□天から落ちてきた
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――呼んでる、誰かが。



悟空はひたすら走り、そしていきなり立ち止まる。



「…上?」



空を見上げると自分の方へまっすぐ黒い塊が落ちてくるのが見える。



「っ!!?」



悟空は飛び上がって、地面に落ちる前にその塊を両腕で受け止める。
そして、地面へと着地する。


三蔵は立ち止まって、その一部始終をただ見ていた。




――ドクンッ。




心臓が跳ねる。
三蔵は、黒い塊を前にして動けなくなっていた。



(…体が動かない)



「悟空!三蔵!」



八戒と悟浄が二人に追いつく。そして、三蔵の傍らに立つ。



「悟空、何だそりゃ」



悟浄は三蔵の横を通って、悟空の前に立つ。



「人。人が空から降ってきた」


「そりゃ、知ってる。俺らも見てたからな」



八戒も悟浄と同様、それから降ってきたそれを悟空が受け止めているのを見た。



「悟空、靴ひも解けていますよ」


「ぁ、マジで?」


「おい、猿。そいつ、持っててやるから結べ」


「ん」



悟空は悟浄にその塊を預ける。



ずん。



「うぉっ!!!」



悟浄の体は前に倒れ、それを落としそうになる。



「悟浄!?大丈夫ですか?」


「っく。なんだこりゃ、めちゃくちゃ重いぞこいつ」




ジャラ。



悟浄が前に屈んだ拍子に塊の黒い布から細長い四肢が現れる。
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