ver.ボケ

□★-俺のお前はお前の俺
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とある番組のイベント、終了後。

それぞれの楽屋があるなか、
出演者の少人数が集まり
会議室で一服をしていた。


「もー、本当散々だった…」


三村がそう溜め息をつきながら
つぶやいた。


「最初の口移しは仕方無かったとして、最後は要らなかったでしょ…」

「ええやん!おもろかったで?」


落ち込む三村に声をかける松本さん。
だが、三村は納得がいかない様子。


「いや最後のキスは絶対要らなかったです」

「お前らが勝手にしたんやろ?」

「なっ…違いますよ!臨機応変にって言われたから…」

「でも大丈夫!うけてたうけてた!」


がはは、と笑う松本さん。
不満顔の相方三村。


「とか言うて三村さん、本当は大竹さんとキスできて嬉しかったんでしょ?」


衣装から私服に着替えながら
宮迫がニヤニヤと三村に問いかける。


「バ、バカ!んなわけねぇたろ!」

「またまた〜照れてますの?」

「照れてねぇよ!」


宮迫が三村を煽って遊んでいると、
松本さんが口を開いた。


「三村、ほんまはあれやろ。大竹に気使ってんねやろ?」

「え…いや」


長年コイツの顔を見てきた俺だから
わかる、どうやら図星のようだ。


「んだよ、気使ってるって」


そう言いながら俺は煙草の火を消し、三村の隣に座った。


「いや…あの…」

「新婚の大竹とキスするのが、大竹本人にも嫁さんにも申し訳なかったんやろ?違うか?」


口を濁す三村の代わりに
松本さんが代弁してくれた。


「そうなの?」

「だって、俺のかみさんはそういうの理解あるけど、お前のかみさんは嫌かもしれないし!」

「ふーん…取り敢えず三村、楽屋きて」


慌てる三村にそう言い残し、
俺は会議室を後にする。


「お前、今から説教なんちゃう?」

「え、何でですか…!」

「そんな余計な事考えてんじゃねぇって…大竹なら言いそうやん!」

「それ!確かにありそうですね!三村さん気の毒やわぁ…どんな説教されたか、打ち上げで教えてくださいね」

「いや、お前楽しんでるだろ?…じゃあ、松本さん一回失礼します。また2時間後に!」

「おう!またな!」
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