ver.ボケ

□★-熱い唇
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とある番組の収録前。

相方、三村と楽屋で待機していると
スタッフからまだセットが完成していないから
1時間待てと知らされた。

あーコイツと二人きりで
一時間とか…スーパー面倒臭ぇよ。

何が面倒臭ぇって…


「大竹さーん、喉乾いたー」

「あ?」

「大竹さーん、眠いよー」


ほら、やっぱり絡んできた。
この絡みがほんとにうざい。


「知んねえよ、寝れば?」

「冷たいなー。まぁ俺も寝たいんだけどさ、最近すぐ目覚めちって」

「じじいかよ」

「それもそうなんだけどね?最近…嫌な夢ばっかり見るんだよね」

「じゃあガキかよ」

「なんかその夢の内容がさ、」


三村が俺のツッコミを無視して話を続ける。


「大竹が俺と解散して、他のやつとコンビ組む夢でさ」


思わずアイスコーヒーを
読んでいた新聞紙に吹き掛けそうになる。


「んだよそれ」

「わかんない。けどその夢見ると必ず目が覚めちって…それで起きると、毎回俺泣いてんだよね」


苦笑いをしながら俺を見る三村。

何なんだよコイツ…やっぱ面倒臭ぇ。


「大丈夫だよ」

「え…?」

「俺はお前置いてどっか行ったりしねぇし、増してはお前以外と組む気もねぇし」


そう言いながら新聞紙から右の席に視線を移すと
しわくちゃな顔で涙目になる相方がそこに居た。


「おお…たけ、ありがとうぅ…っ」

「おっさんのくせに泣かないの!あーもう面倒臭ぇな…」

「ごめ…ん…っ!?」


三村の泣いて真っ赤になった鼻先に
唇を押し当てる。


「おおた…け…っ」


焦り始める相方を無視して
そのまま唇を下に落とす。

唇と唇が重なり合い、
お互いに熱くなる。


「だめだって…収録前だし…っ」

「まだ50分もあるじゃん。そんな嫌ならやめてもいいけど」

「…え、それは」

「何?やめんのやめねぇの?」

「で…っでも本番…」

「早く答えないとやめちゃうよ?」

「……っ」

「5、4、3、2」

「やめないで…!」

「ちゃんと言えるじゃん。」


真っ赤になりながら恥ずかしそうに
俺の首元に顔を埋める三村。

いいね、それ。
余計そそられる。
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