ver.ツッコミ

□☆-休み
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…忙しい。

最近、仕事が忙しい。
もう10日以上も休みがない。

しかも、大竹と別の仕事が多い。

これが今最も辛い事。
1人は疲れるし、癒しがない。

大竹一樹って言う、俺の1番の癒しが。

もちろん、ピンの仕事しかないってわけじゃないんだけど。
今もリンカーンの収録があるから、1人で楽屋で待機してるとこ。

今日は2日ぶりに大竹に会える。
俺はわくわくしながら待っていた。

その時、楽屋のドアがノック無しで開かれた。


「うい」

「大竹!」


久々の大竹…、
俺は大竹に飛び込んだ。


「くっつくなよ」

「だって久しぶりじゃん」

「2日だけだろ?」

「寂しかったんだよ」


俺は大竹の腰に腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。


「まじで鬱陶しい、お前」


大竹も言葉とは真逆に
俺よりも力強く抱き締めてくれた。


「ちょっとだけこのままで居させて」


大竹が俺の耳元でぼそっと呟く。


「やっぱ、大竹も寂しかったんだ?」

「うるせぇ」

「…大好き」

「分かってる」


俺より少し背の高い大竹が、俺の頭をポンポンと撫でる。

それ、俺がやりたかったのに!

俺はお返しとして、久しぶりにキスをしてあげる事にした。


「大竹…」


大竹の頬に手を当てる。
すると、大竹が少し目を閉じた。


と、その瞬間。

コンコンッ!

楽屋に大きなノックが鳴り響いた。


「お疲れっす!」

「うわ…っ」


慌てて、お互いに密着していた身体を離す。

現れたのは、宮迫だった。
こいつ、今良い所だったのに。

ふと、大竹に目をやると、
…不機嫌だ。明らかに。

大竹、この前から宮迫の事が気に入らないみたい(たぶん俺関係)だから
余計に怒ってそうだなぁ…。


「あれ?今、なんか、来ちゃ駄目な時でした?」

「いや。別に大丈夫だよ。どうした?」


大竹の機嫌が悪くなったので、俺が宮迫に対応する。

大竹は、静かに隣で煙草を吸い始めた。


「今日これ終わり、空いてます?」


宮迫が俺と大竹を交互に見ながら言う。

そう言われてみれば、明日は久しぶりのオフだ。


「空いてる!」

「大竹さんは?」

「俺、これ終わったら雑誌の取材あっから」

「えー残念やなぁ…」

「悪いね」


大竹、まだ仕事残ってるんだ…。

取り敢えず、俺と宮迫は収録終わりにまた集まる約束をして、本番に挑んだ。
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