ver.ツッコミ

□☆-秘密の味
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とあるロケ番組の収録終了後。

移動のバスで、いつもなら
俺に近い席に座る大竹が
今日はなぜか離れた位置に座った。


「大竹さーん」

「…。」


完全無視。

何か俺に不満があるみたい。


「なに怒ってんだよ」


俺は、そう言いながら
一番後ろの大竹の隣に移動した。


「なんであんな事したんだよ」


膨れっ面の大竹が、俺を睨みながら言う。


「あんな事って?」

「ガイドの人と手繋いだだろ」

「あーあれは、ノリって言うか…」

「有り得ねぇ」


大竹はそう言うと、
俺に背を向けるように座り直した。


「いや、仕事でやったんだよ…な?」


俺が大竹の肩に手を乗せると、
不機嫌そうに腕を払いのけられた。


「絶対許さねぇかんな!」

「なんでだよ」

「もういい!」

「別に本気で手繋いだわけじゃねぇよ!」

「嘘つくなよ!にやけてたし!」


話の通じない相方に
段々イライラしてくる。

が、そんな相方を見ると、
今にも泣き出しそうな顔をしていた。
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