報われない住人達の部屋
□謝罪愛
1ページ/1ページ
僕は何も望みません。
誰かに罵倒されて初めて僕には意味があるからです。
殴られる事にも、もう慣れました。
大人しくしていれば長引きません。
嫌われる事にも、もう慣れました。
僕が好きでいなければ傷つきません。
騙される事にも、もう慣れました。
信じてさえいなければ失望する事もありません。
僕は何も望みません。
望んでも手に入らないから。
望むだけ無駄だから。
手に入らないものを望む事は
とても惨めだから。
なのに、僕は君が欲しい。
僕なんかが、願ってしまった
僕なんかが、求めてしまった
必死に自分に言い聞かせる。
「お前は求めていい人間ではない」と
なのに、僕の心は君を求めて…。
言ってはいけない
想ってはいけない
押し殺した叫びは君に聞こえるはずもない。
出来ることなら
君を抱きしめて
「ごめんなさい、ごめんなさい、愛してる」と…