坊主と私と○○○

□坊主と私と作戦前夜
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 六月某日、現在お昼時。
 寺の居候組、次男三男に加え愛子は真太郎の部屋に集まっていた。
 昼時と言うことで愛子お手製の塩結びとキュウリのもろ味噌和え、出汁巻き卵をつつきながら会議を開く。

「さて今年もこの季節がやってきましたー。はい、盛り上げて盛り上げてー」
「どんどんぱふぱふー」
「……」

 お調子者の双子が盛り上げようと先陣を切るがほかの者は食糧確保に徹している。

「あっ、ちょっ、それ俺の分の出汁巻きー」
「世の中弱肉強食っ」
「もろ味噌もらったーっ」
「てめえ、もろ味噌とったらただのキュウリじゃねえか」

 箸と拳、罵倒が飛び交う中で食事を何とか無事に終了して食後の粗茶を啜りながら改めて議題をあげる。

「で、改めまして明日は父の日です。今年も日頃の感謝を示すために父の日を執り行います。何かいい案はありますでしょーかっ」

 進行役を金時が務め、提案を求める。
 毎年父の日は合同で執り行っていた。
 寺組は坊主に寝食を提供してもらっている恩を、愛子や次男三男はもちろん父親に対する感謝を表すため。
 最早このメンバーにとっては毎年恒例の行事だ。



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