夢2
□ひと押し
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それは突然発した言葉だった
『はぁー…陣川さん積極的にならないかな?』
米『は?』
『陣川さんってねー?すごく優しくてちょっと困るくらい好きでいてくれるんですけどね』
米『え、あの私に言われましても』
『米えもん何か道具だして』
米『;』
『ほら、なんていうの?陣川さんキスとかはしてくれるんですよ』
米『はぁ』
もはや愚痴と化しているのはいいのだがこういった話をされるのは男としては複雑である
『いい雰囲気になってもすぐに家に帰りますし?それ以上がなぁ…』
米『ぶふっ!』
なぜそのような話を一応上司である私にするのか理解できないものだ
『男側としてはどう思います?』
米『あぁ、男性側の意見が欲しいのですな』
『そう…女にはよくわからないし』
米『い』
『色気の問題とか言ったら殺すぞ』
米『私は一応上司なんですが』
『キャリアは私の方が上ですもーん』
米『;』
『で…なんでだと思います?』
米『それは…大事にしてるからでは?』
『でも我慢ならねーー!とかないの?』
米『そんなことわかりませんよ私には!』
『はぁー…』
米『そんなに悩んでるんでしたら色じ掛けでもなんでも実行すればよろしいじゃないですか!』
『う…ん、そうしようかな…うーん…』
ガチャッ
陣『あ、名無しさんさん』
『陣川さん!』
さっきまで悪態つきながらだらけていた彼女とは一変
陣川さんが来た途端に姿勢や顔色まで変えて可愛いらしい感じに声のトーンをあげた
米『;』
陣『今日ご飯いけそうですか?』
『うん♪いけそうです//』
陣『そうですか!』
初々しいと言えば初々しいのだが私と話す時の彼女と彼と話す時のこの差の激しさ
陣『じゃあ!』
『うん!後でメールします』
ギイィ…パタンッ
『はぁーーー…どうせまた食事で終わるんだろうなぁ…いや嬉しいけどさ』
米『思いきってあなたから誘えばいいじゃないですか』
『えーー!//やだもーセクハラ〜!』
米『…』
陣『ここのご飯この前見つけて名無しさんさんと食べたいなーって』
『ふふっ本当に美味しいですよ陣川さん!私のためにありがとうございます』
陣『い、いやぁ…///』
陣川さんは本当に私に尽くしてくれるし優しいし(時々空回りするけど)たまーに強引なところも素敵だ
陣『じゃあ送ります』
『えぇ』
食事も終え、軽い世間話も終えいつものように送り迎えされる
いつものパターン…さすがに刺激が欲しい
『きゃっ…』
陣『わ!』
『ごめんなさい、少し酔ったみたいで』
陣『い、いえ…』
わざとらしいこの仕草にも純粋に捉えて気を使う彼
陣『名無しさんさん…』
『…』
二人で見つめあいゆっくりと目を閉じると彼からキスをした
『陣川さん…』
陣『…さ、か…帰りましょうか//』
これだ
私が見つめてキスをして、そのあとに進むことはない
陣川さんからキスをすることもあってもそこから進むことはない
『今日は…』
陣『はい?』
『今日は、帰りたくないんです』
潤みがちの目で彼を見つめてすりよる
陣『え…!』
さすがに意味がわかったのか顔を赤くして…あ、ちょっと嬉しそうな顔してる
陣『…家、来ます?』
『えぇ』
少し強引にしてしまったかもしれないが今更引き返すわけにもいかない
陣『どうぞ』
『わぁ…』
ちらりと見えた陣川さんの部屋には辺り一面の指名手配写真
正直今そういう雰囲気になったらここでは勘弁してほしい
『勉強熱心、ですね』
陣『もちろんですよいつか捜査一課で…』
そこから数分話をされた
『…』
なんで私この人が好きなのかたまにわからなくなる
陣『…それでね、名無しさんさん』
『はい』
陣『それで、捜査一課になったら鑑識の名無しさんさんともっと一緒になれるんじゃないかって最近じゃ思ってて』
『陣川さん…』
陣『一石二鳥だなーなんて』
『ふふっ』
やっぱりこういう純粋なところは好き
陣『名無しさんさんって笑顔可愛いですよね』
『え?…ふふっありがとう』
熱い目で私を見つめ始めた彼はゆっくりと抱き締めて耳元で「いいですか?」なんて囁く
陣『チュッ……』
『ぁ……』
濃厚なキスになっていく
塗ってある口紅がついてしまった彼の口が少し面白かった
『ふふっ』
陣『…』
『陣川さん?』
陣『本当に、可愛い…』
うっとりとした表情で話しては唇から首筋胸に移動しキスを落とす
『ん…っ』
陣『名無しさんさん…俺、我慢できないかもしれませんっ』
『きゃっ!』
顔を赤くし興奮した様子で私を押し倒した
『ひゃ……んっ……!』
陣『名無しさんさ……はぁ……!』
陣川さんのキスに答えるように腕をまわすと彼の片手が服の中でに入ってくる
少し冷たい手に体が反応するが服の中でまさぐる手が上へ移動していき快感への期待に羞恥心が増す
『そんな…ない、から』
陣『なにがです…?』
『なにがってっ、ひゃ!』
陣『ん……』
愛しそうに胸をヤワヤワと揉みうっとりとした表情をする彼
陣『すごく…柔らかい』
『言わなくても…っ!ん…!』
胸を触られているだけのはずなのに不思議と気持ちよくて言わゆる感じてる状態なんだと思うなんて冷静に考えていた
『んっん…!ぁ…も…』
陣『…』
『そんなに、見ない…で』
陣『そんなに…煽らんといて』
『っ!……』
そういえば彼は関西出身だった
方言が出てきたということは余裕がなくなってきたのだろうか
陣『ここ…』
『やっ…!』
下着の上から割れ目を指でなぞりしっとりとした肌触りに彼が嬉しそうに話しかける
陣『あかん…ヤバイ、めっちゃ嬉しい…』
『なに…が、ん…!』
陣『感じてるん?』
『っ!///』
そんなことをわざわざ聞くのは卑怯だと軽く睨みつけようとすると彼は指を器用に動かし敏感な部分を焦れったく触る
『ぁっ…!ぁ……!』
陣『可愛い…』
思わず出てきたような言葉とまだうっとりした表情なのにキスマークをつけ胸の頂きを転がすように指でなぞる
まだ下着の上から敏感なところを押す行為をしたままで
『はぁ…!はぁ……ぁっ……』
荒くなる息と快感の波で涙目になっていると目をあわせてきた彼が余裕のない笑顔をした
陣『大丈夫です、優しくしますから』
『ちが…』
陣『愛してる』
『……私も』
どうしてこうも話をずらすようなことを言うのか、それでも本音を話す彼に愛しささえ感じた