□煩悩
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伊丹さんの様子がおかしい

最近すごくおかしい



伊『おい名無し』


『はぁい?』


彼が私を呼んだ、笑顔で振り返ると


伊『ぅ.....いや、なんでもねぇ』


『?そう...』


ほら、おかしい
付き合い始めて早数ヶ月..伊丹さんは最近こんな調子だ


伊『.......はぁ』


それに溜め息ばかり


『ねぇ、伊丹さん..』


伊『ん?』


『なにか悩みがあったら私に相談してね?聞くだけしかできないかもだけど...』


伊『名無し....』


少し驚いたような顔をしたあと私の頭をやんわりと撫でた


『....?』


伊『なんにもねぇよ、心配すんな』


そういってわしゃわしゃと撫でながらどこか悲しそうに笑う


『.....はい』


私じゃ力になれないのかな?



『伊丹さん...』


撫でてくれる手を握り自分の頬にあてた

彼の心配が少しでも減るように願って

暖かいな...


伊『....!』


バッ!!


『ッ!伊丹さん?』


伊丹さんは私の握った手を勢いよく剥がした


伊『ぁ、いやわりぃ 気にするな』


そのまま去っていく彼の背中を見送った


私、嫌われてる......?
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