□甘え方
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陣『じゃあお茶いれます!そこらへんでくつろいで』


『ありがとう』




はぁ.....ど、どうしよう



恋人同士一つ屋根の下


しかも彼氏の家



そして下心なさそうな陣川さん


....本当に下心なさそうね;



男は狼っていうけど陣川さんって百歩譲っても狼っていうよりハスキー犬ね




あらから付き合って早5ヶ月




結構長引いた


そして何故か警視庁名物みたいな扱いうけたり
どこがよかったのかとかおめでとうとか大変だった




そういうことがあってか今落ち着いてきてわかったことがある



あれから忙しさもありデートも買い物して終わり


昼食も時間があわなかったり

私が張り込みしてたりとでなかなか恋人らしい発展はしていない





たとえば未だに私に時々敬語だったり
さん呼びだったり手を繋ぐまでだったり....




まぁ正直ホッとしてたりする


あまり急いで進むと...その、いずれはってなるし今の関係でも十分楽しい



ただやっぱり敬語はナシにしてほしいな



あとあんまり可愛い可愛いっていうのもやめてほしい!!//





陣『よしっと...』


『あー、やっとこれ見れるわ』


陣『シリーズ化かぁ...』


『そうなのよ変なとこで終わってたから続きが...』






















陣『おぉ....』


『まさか犯人がねぇ...ふぅ、見終わった見終わった』


陣『これ面白いですね!』


『そうでしょ!だから人気なのよねぇ...』


陣『もうそろそろ遅い時間!送ります!』


『大丈夫よ』


陣『ダメですよ!夜遅くに女の子が1人出歩くなんて!男として刑事としても義務であって!』


『(そこは彼氏っていいなさいよ)じゃあ、お願いするわ』





本当に何にもなかったな....



い、いや別に期待してたとかじゃないわよ!?



そういう期待は男の役目だし←?




陣『わっ!』


『え?』



いきなり立ち上がった陣川さんがよろけてしまい少し私の顔と近くなる


わっ!ちょっ!こんな急展開いらないわよ!少女漫画じゃあるまいし!




『だ...大丈夫?』




しばらく見つめ合う形になった



あ、これはもう....





陣『....名無しさん』




スッと顔が近づいてくる

段々と目を閉じていく陣川さんに驚きながらも私もあわせて目を閉じる




『んっ.....』


陣『.....ッ名無しさ....ん』





なんだろう


酸欠で苦しいしよくわからないけどたぶん上手なんだと、思う



今まで色んな女性に告白したりしたんだもんね


そりゃ付き合えてキスとか色々した時もあったんだろうな

何人も私の前に付き合っていて何度も運命の人だって囁いて今みたいなキスを........




『.....っ..!』


陣『名無し....さん?』


『ぅっ.....』


陣『泣いて....!わっ!ごめんなさい!!嫌でした!?気持ち悪かった!?それともムードがないとか...』


『違うわ.....』


陣『....僕が、嫌になりました?』


『!!ばか!!!そんなわけないでしょ!!』



何言ってんのよばか!!


わざと耳元で大声でいった





陣『わっ!』


『ただ......その、悲しくなったのよ』


陣『え?』


『じ、陣川さん....キスが、上手だから........だから私何人目なんだろうって...』




相手にキスが上手なんて恥ずかしい台詞をいってしまった



なんだろう私


どうしたの?



なんで今日はこんなに感情にわがままなの?



陣『....ヤキモチ、妬いてくれてるんですか?』


『.....そうかもね、文句ある?』




なんだろう今日の私最悪


いつもじゃないけど偉そうな態度が今日はヤケに酷い





でも陣川さんは




陣『名無しさん、俺嬉しい...///』


『!』


陣『本当は好かれてる自信がなかったところがあって..』


『私が冷たいから?』


陣『いえ!自分があなたに相応しくないからです』


『なによそれ...相応しいって ふふっ』


陣『だってあなたはこんなにも素敵で優しくて可愛いらしくて....あなたに相応しい男になろうって』


『それは私の台詞よ...ばか いつもの陣川さんらしくもっと堂々とすればいいのに、らしくないわ』


陣『しばらくあなたに会えなくて....寂しくて、つい甘えてしまったのかも』


『......』




そうか、わかった



私も寂しかったんだ





だからこんなにもわがままなんだ


気持ちが抑えられないんだ




『陣川さん、私も...寂しかった』


陣『!』


『仕事だって本当は蹴飛ばしてでも会いたかったわ、でもあなたが好きな仕事を適当になんて私にはできな』


陣『名無しさん!』




ぎゅっと抱きしめられる



今は恥ずかしいよりも嬉しい




『陣川さん...好き』


陣『俺も....好きです、愛してます』


『ねぇ、たまに軽く敬語なのやめてよ』


陣『え....あぁ、つい仕事での尊敬心が!』


『彼女...なんだし、せめて家でくらい そうだ!あなたの故郷の方便聞かせて?』


陣『え、えー...聞きたい?』


『うん!それで愛してるって言いなさい!』


陣『ぇ!//....と、じゃあ ゴホン  わし..お前のことを愛してんねん』


『.....!』


陣『あはは//;ちょっと恥ずかしい、久しぶりに喋ったなこの口調』


『..........///////(わし!?わしって言った!?)』


陣『あれ?どうかした?』


『いや....その、結構よかったというか////』


陣『じゃあ名無しさ...名無しも』


『え...っと、あ...愛しとーよ?』


陣『!!』


『ど、どう?』


陣『すごく....いいです』























友人『で?なにノロケ?』


『べ!別にノロケじゃなくてこういう流れがあったってだけよ!』


友人『それノロケだから』


『だ、だからみんな陣川さんは本当は素敵なんだから変なこと言わないでよね!告白魔とか!』


友人『はいはい』



















陣『杉さぁあん!わしはなんて幸せなんやぁ!』


亀『よ、よかったね』


杉『...』


陣『だいたい可愛いすぎるやろ!愛しとーよってどこの方便やねん!まったくこれが夢ならわしは...わしぁ』


亀『右京さん、これはこれで....』


た『あらあら陣川さん、泣くことはなくなりましたけど酒に潰れちゃう癖は変わらないんですね』


杉『一種の習慣かもしれませんね』


亀『はいはい陣川くん落ち着いて落ち着いて』


陣『これが落ち着いてられるわけないやろって!...ひっく....』


亀『名無しちゃん、呼んじゃいます?』


杉『僕はかまいませんよ』
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