夢2

□愛しい欠点
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えー ゴホンッ






みなさん!捜査一課の若きエース!芹沢でーーす!!!(カメラ目線)





今日は俺の彼女について話したいと思います







伊『芹沢、これ追加な』



芹『え!ちょっ』



伊『文句でもあるのかぁ?あ?』



芹『アリマセン』







最近先輩はいつも以上に嫌みな姑のようなことばかりする(いつもしてるけどそれ以上に)






なぜかって?








そう、俺の彼女は








芹『先輩酷いっすよ今日デートなのに』



伊『だからだろうが』




芹『シスコンだ』



伊『あ゛?』








そう




僕の彼女が先輩の妹なのだ











芹『二ヶ月ぶりなのに…』






メールでごめんね!遅れる!先輩が、いやお兄さんがといつものように送る









ピロリーン♪




芹『返信はや』






彼女はとても短文で一言



【はい】







芹『…俺のほうが絵文字とか使いまくってなんか逆だなぁ』






それはさておき、一見冷たい彼女に思えるがそうではない





可愛いし(先輩に似ず)



賢いし(先輩に似ず)



要領もいいし(先輩に似ず)



優しい(先輩に似ず)






そんな彼女を愛してるのだが






先輩の妹、ということ以外に欠点があるのだった(いやまぁ人間誰でも欠点の1つや2つ)












芹『おまたせ!ごめんね本当に毎回毎回』



『いえ、理解してますよ』







まず敬語、タメ語をお願いしたものの
ずっとこれ…うーん





いやまぁ可愛いけど






『先輩…いや、お兄さん本当に名無しさんちゃんに似てないな〜せめて似てたらなぁ』



『逆に私が兄さんに似てたら嫌ですよ』







想像したら死んだ





芹『ぶふっ』



『わ、笑わないで!くださいよ…』



芹『あ、今敬語抜けかけた!』



『抜けてません』



芹『敬語いいのに』



『…』







照れてる…可愛いなぁもう








『あ!そうだ!明日仕事場にお邪魔しても?』



芹『え!うんいいよ!どうしたの?あ、俺に会えない時間が寂し』



『お弁当届けます』



芹『え』



『コンビニやお店ばかりじゃ栄養偏りますし…か、彼女ですし//』







可愛いらしい照れ顔で正直抱き締めたいけどそれどころじゃない





芹『はーははは;』








目は笑えない





『?すごい冷や汗ですよ?』



『ん?い、いやぁ?』







もうひとつの最大の欠点





彼女は料理が死ぬほど下手だった(無自覚)



もちろん家事洗濯も駄目




お米を洗剤で洗おうとしたりセーター縮ませたり





























































『芹沢さーん』



芹『!』



伊『おま、何しに来た!』



『兄さんじゃなくて芹沢さんに会いに来たんだよ』



伊『…』



芹『えーっと…』



『はいこれ』







あ、なんかもやぁぁっとしてる






伊『弁当?お前料理できたか?』



『失礼だ!兄さん何年前の話だ!』





いや今もできてない




芹『お、お腹すいてないからあとで…』



『あけてみてください!』







あーキラキラした目、俺これに弱いんだよなぁ






芹『じゃああけちゃおうっかなー//』







パカッ



芹『う゛』






焦げてる…ていうかこれなんだろ、炒めもの?いや炒めさせられたなにか?





芹『えっと…』



伊『おわっ!なんだこれへったくそだなお前!』



『!』






あーーー、先輩





『し、失礼な!味は美味しいはず!!兄さんの分もついでに作ったから食べろ!どうせラーメンかコンビニだろ!』






彼女は自分の兄となるとなぜこうも乱暴な言葉になるのかとは思わない、たぶんそこは先輩に似たし家族だからだろう







伊『はぁ!?いるかこんな激物…わ、わかった食ってやるよ』






こんな乱暴な言い合いをしているが妹が大事なんだろう、ちょっと泣きそうだったからさすがの先輩も食べた



あーあ…











伊『う゛っおぇぇ…!』



『え』




伊『まっず!!!』







その言葉と同時に彼女は走ってその場を後にした







芹『名無しさんちゃん!!』



伊『芹沢が言ってやってくれ』



芹『え』



伊『時間までには帰ってこいよ』






いや先輩のせいでしょ



とは思ったが今はそれどころじゃないし今のは彼氏の俺を尊重してくれたのだろう(擦り付けともいう)











芹『名無しさんちゃん待って!』



『…』



芹『…』



『ごめんなさい、私こんなもの作って…あとで捨てておいてください』



芹『そんな』



『今まで我慢してくれたんですよね…』





うん、確かに家にお邪魔した時はまずくてびっくりした






芹『名無しさんちゃん』



『だ、だいたい手作り弁当とかベタすぎてありえないっていうかキモいですよねははは』



芹『手見せて』



『え』



芹『…これ、弁当作るとき怪我したんでしょ』



『こ、これは野良猫の大群に囲まれて』



芹『うそ』



『傷だらけですし、こんな…料理で怪我なんてベタだしもう見ないでください』



芹『ダメ、俺この手好きだから』



『え…?』



芹『確かに…料理はちょっとあれだけど、俺は頑張ってくれたこととか名無しさんの一生懸命なとこが好きだよ』



『…っ!』



芹『好きだ』








そっと顔に触れて口を寄せて…





『…芹沢さ…け、け…慶二さ//』



芹『え!!も、もう一回!』






キスをする一歩手前って時に彼女はほんとわざとかってくらい今可愛いことを






『え、い…いや//てか近』



芹『ついでに敬語も外しちゃってよ』



『そ!それはダメです!』



芹『なんで!?』



『だって…私、言葉乱暴ですから兄さんと一緒の口調って思われたくないからです』



芹『…』






伊丹家はどうやって般若とこの天使を産み出せたのだろう




ていうかもう、ほんとどんな君も受け入れるからさ





芹『…花嫁修業しない?』



『え』






君の欠点すらも今の俺には愛おしい











『とりあえず…弁当再チャレンジします』



芹『…;』








早急に花嫁修業してもらわないと駄目かな…;










【完】







  
 

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