番外編〜もしもアレンがサーヴァントなら
□1章 魔を祓う爆炎
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「バーサーカーじゃ...ない...!?」
マスター権限によるステータスを見て雁夜はサーヴァントがバーサーカーではないことを知った。
「あぁ、俺は狩人(ハンター)のクラスで現界した。我が剣は汝が元に、此処に契約は成った。」
「狩人(ハンター)...」
「呵呵呵呵呵呵!!狙ったクラスを呼ぶことすらもできんとは、とんだ期待はずれよのう雁夜よ。せいぜい聖杯を取るために奮闘するが良い。」
そう言って臓硯は蟲蔵を立ち去ろうとする。が、
「おい、」
「んん?何じゃ?」
「此処は何処だ?魔力からだいたいわかるが、ろくな所じゃねえな。」
ハンターの目が鋭くなる。その目は先程とは違い、青の双眸は翡翠色になっている。
「何を言うかと思えば、此処は魔術の修練場よ。」
「...てめえに聞いても無駄だったか。クソだめの方がまだマシって思えるぜ。おいマスター、此処はどうなってる?」
ハンターは雁夜に訪ねる。その目は何かを試している様にも見える
「ここは...地獄だ...!!ここに入れられたら最後、身も心も、蟲に犯され続けるんだ!!桜ちゃんも...!!」
雁夜は今までの苦痛を吐き出すかのように叫ぶ。
「雁夜...貴様...!」
「Hmm...まぁ、そんなとこか。喜ぶといいぜジジイ、最期に魔剣士の力を見ることが出来るんだからな。」
「...何じゃと?」
ハンターの言葉を聞き臓硯が彼を見る。そして、
「...摂理の魔眼(プロヴィデンスホルダー)!」
突如として、臓硯の元に蟲が集まる。
「何じゃ!?どういうことだ!?」
蟲の制御が効かず、臓硯は身動きが取れなくなる。
「っ!?体の蟲が動かない...?」
「チッ、こいつ...やっぱり蟲で身体を作ってやがったか。さて、マスター、こいつをどうする?アンタはマスターで、俺はサーヴァントだ。アンタの願いは俺への依頼になる。」
そう言ってハンターはニヤリと笑った。
雁夜は半ば勘ではあったが、このサーヴァントは強いと感じていた。故に、
「ハンター、臓硯を、あの外道を殺してくれ!!」
「了解だ、マスター」
そう言ってハンターは炎を纏った篭手を着ける。
「マ、マテ!儂を殺せば、桜がどうなるか忘れてはおるまいな!?」
しかし臓硯の言葉が雁夜を止める。
「!!...くそっ!」
「Hum...強がるなよ、魔力を一箇所に集めたんだ。お前の本体もここにいるみたいだし、此処でお前を魔力ごと焼き払えば終わりだ。」
「ヌゥゥッ!」
この時臓硯は自らの本体を桜の心臓に移してなかったことを後悔した。
しかし、後悔先に立たず、
「行くぜ、獄炎纏いし煉獄の篭手(イフリート)!」
ハンターは宝具の真名開放を行い、飛び上がる、
臓硯は恐怖した。あの篭手の魔力は確実に自分を滅ぼす。避けられぬ死が彼を恐怖に落とした。
「イヤジャ!ワシハマダシニトウナイ!!ゴヒャクネンマチツヅケタノジャ!シンデタマルカッ!!」
しかし、魔剣士は彼を逃さない。
「五百年ね、永く生きすぎたアンタはもうヒトじゃねえ。ここでくたばりな。」
そして、
「燃え尽きな、インフェルノ!!」
煉獄の炎は五百年の妄執を焼き払った。