番外編〜もしもアレンがサーヴァントなら

□2章 What’s your desire?
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次の日の朝、雁夜は目覚めてすぐにこれからのことを考えた。

(あの吸血鬼が死んで桜は救われた。これからどうするか...もう聖杯をとる理由もなくなったしな...)

すると、
「雁夜おじさん...ご飯できたよ?」
桜が朝食を告げるために部屋に入ってきた。

「...あぁ、今行くよ桜。」

そして朝食になるのだが、

「Hmm...なかなかうまいな桜。」

「あ、ありがとうございます...」

(なんでこいつがいるんだ!?虫の消えた今、俺の魔力で現界はおろか消えてるはずだ..)

「おっと、話は飯を食ってからしようぜ。冷めたらまずくなっちまう」

その言葉を皮切りに雁夜も一応は納得し食事を始める。

そして食事後、
「さてと、じゃあマスターこれからのことを話そうぜ。」

「...ああ。」

「俺からの質問は2つ、1つ、聖杯をとる気があるか。2つ、聖杯にかける願いは何かだ」
ハンターからの問に雁夜は、

「聖杯をとる気は無い。元々、桜ちゃんを助けるためにこの戦争に参加したんだ。吸血鬼が死んだ今、この戦いに参加する理由もない。強いて言うなら、父親のくせに桜ちゃんをこんな目に遭わせた時臣を殺すくらいか。」

「ハハハッ!そうかい、あんたは魔術師としては落第もいいとこだが、人間としてはかなりいい線いってるぜ。ただマスター、その考えは矛盾してることに気づいているか?」

「え?」
雁夜は疑問符を浮かべる。

「あんたは桜の幸せを祈ってるんだろ?」

「当たり前だ!」

「なら、その父親を殺すことが桜の幸せになるのか?まあ、そうかもしれないが、それは当人が決めることだ。言っちゃあわりぃが他人が関わっていいことじゃねえんだよ。」

「...!!」
その質問に雁夜は答えることが出来なかった。

「少し時間をやる。そのあいだに考えておきな、場合によっちゃ契約を切るかもな。」

「...待ってくれ!」

「あぁ?」

「俺からも質問がある。まず、お前の真名、そしてお前が聖杯にかける願いは何だ?それと、なんでまだ現界できるんだ?蟲がなくなった俺は魔力を供給できないはずなんだが...」

「...そういや言ってなかったな。まず、俺の真名はアレンだ。現界出来てる理由はお前さんの魔術回路?だったかがどういう訳か開いたらしい。もっとも、戦闘できるかと言われると少しきついかもな。」

(なんで今更...というかあんな修練をする意味があったのか...?)

雁夜はげんなりしながらも彼の特徴と名前からある疑問を伝える。

「...やっぱりお前はスパーダの一族なのか?」

これにはアレンも驚いたようで
「...なんでわかった」

「俺はここに来る前はフリーのライターだったんだ。その時にフォルトゥナっていう宗教都市に行ったことがあってな、そこには神として祀るスパーダの一族が載ってたのさ。それにその剣、リベリオンだろ?それが証拠だ。」

「...スパーダの血族って結構有名なのか?」

「当たり前だ!世界の子どもでスパーダを知らない子はほとんどいない。」

「はぁ!?なんでそこまで...待て、子ども?」

「あぁそうだ、スパーダの物語は今じゃ世界でもかなり有名な童話だ。」

「マジかよ...というかその話は子供にしていいのかこれ?」

「流石にそこはぼかしたり誤魔化したりしてるさ。でも英霊にとって知名度ってのは大事だからな。」

「本来なら俺の知名度なんざ、そこらの人間と変わんねえけどな。まぁいいや、決心がついたら呼んでくれ、それまで俺はそこら辺をうろついてるから。」

「は!?うろつくってお前!サーヴァントだろ!?」

「おいおい、何のための霊体化だよ...」

「あっ...」

「じゃあ行ってくる、Adios.」

そう言って、アレンは間桐邸を出ていった。

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