PM 11:02

「あ・・・遅刻だ」

布団からずり落ちたままの状態の僕は静かに時計をみながらそういった

         ***

小春日和。長かった春休みが終り、ようやく今日からまた学校が始まる。
いわゆる今日は始業式だ。
道行く学生達が新生活に心おどらせているのが目にみてわかる。
そんな僕はエスカレーター式校ではあるが4月から高校生になったのである。


そんな新生活に浮き足立った学生たちを横目に
黙々と初めて入る高校校舎を目指す僕「海梨幸揺」は非常に機嫌が悪かった。
朝、僕の部屋においてあるお菓子箱が空になっていたのだ。
昨日の夕方、最後のチョコレートを食べたことをすっかり忘れていたのだ。
買いに行こうとしてそのまま寝たのを今すごく後悔していた。


高校の校門まで行くと僕はおもむろに学園の学生書をとりだした。
門は自動ドアみたいな透明なドアでその横に学生書をタッチする場所がある。
学生書の中にはチップが入っており、自分の情報のデータが事細かくしるされている。
例えば自分自身が知らないような事までもがデータの中に入っているのだ
データが学校の情報と一致し門がウィ−ンとうなりながらひらく
ひらくと学校の先生と丁度はちあわせになりこう言われた。

「海梨、さっき放送で校長室に呼び出しされてたぞ?」
      「え?僕が??」



僕の日常が今少しずつ変わり始めていた

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