K
□ムカツク
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部下の声で上を見上げると水の塊が浮いていた
(このストレインの能力は水――!)
伏見を水を使って窒息させるつもりの水が伏見に迫る寸前小さな電撃音が響いて水が霧散した
『水は電気を通しませんが、ストレインの集中力を切らせば能力は消失しますから』
人差指を出した祈李は意地の悪い笑みを浮かべていた
倒れているストレインの耳元に焦げた跡がある
「ま、まさか……第五王権者黒の王!?」
『次起きたらきっと牢屋の中ね』
路地に凄まじい電撃音と絶叫が響いた
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「巻き込んでしまって申し訳ありません」
『いいえぇ、お気になさらず』
セプター4の室長室で祈李はころころと笑った
「姫宮、そもそもなぜあんなところにいたの?」
淡島が抹茶と和菓子(もちろんあんこを殺人級にのせていて和菓子の原型が見えない)を祈李の前に出す
『私、路地を使って近道することが多いんですよね。それで今日も路地を通ってたんですけどなんか騒がしので様子を見に行ったら』
「ストレインを見つけた、と?」
『はい』
和菓子をそれとなく宗像に押しつけながら祈李はうなづく
「ではあなたの自業自得ですね」
宗像が祈李の前に和菓子を押し戻す
『そうですねぇ』
抹茶を飲み干し和菓子を宗像の目の前に置き祈李は立ち上がった
『じゃあ私はこれで』
「あら、もう行くの?」
『はい……外で忠犬よろしく待ってる怖い人がいるので』
扉をあけるとやはり伏見が控えていた
「もういいんスか?」
「話は終わりましたよ」
「じゃ、いいっス?」
伏見は祈李の手首を掴み歩き出した