K
□7歳差の恋人
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ぱちぱちとキーボードを動かし真面目に仕事に取り組んでいた宗像は不意に手を止め端末に手を伸ばした
画面を起こし、少し動かして一枚の写真を表示する
祈李
年下の恋人の写真である
デートで訪れたひまわり畑のなかでひまわりに負けず大輪の華のように笑う彼女に少し癒される
ここ一ヶ月、政治が大きく動き宗像たちセプター4は忙しく働いていた
そして今朝方ようやく落ちついたのだ
扉をノックされ宗像は画面を切る
「室長、伏見です」
「どうぞ」
気だるそうな伏見が仏頂面で入ってくる
「この資料の確認、よろしくお願いします」
「わかりました」
「失礼します、室長。淡島です」
今度は淡島が入ってきた
「あら、伏見くん来てたの」
「確認してもらいたい資料があったので。んじゃ俺はこれで」
伏見はふらふらと出ていこうと扉のドアノブを握ってから宗像を振り返った
「そういや室長、 ##NAME1#振ったんすか?」
「は?」
「室長……?」
伏見はにやりと笑う
「さっき室長が一ヶ月くらい音信不通だって内容のメール来たんで捨てられたんじゃねぇの?って返しときましたけど」
「伏見くん……」
「連絡してない室長が悪いんじゃないんすか?」
口ごもると伏見はさらに畳み掛けてきた
「 祈李としては社会人と付き合ってるっていうのが不安要素みたいっすよ?ちゃんと安心させてやんねぇと……………………俺、もらっちゃいますよ?」
宗像は思わず目を見開いた
案外近くに伏兵がいた
「俺、祈李のことは気に入ってるんすよねー。俺以外にも吠舞羅の連中のなかにもあいつ狙ってるヤツいるみたいですし」
にやにやと宗像の反応を楽しむ伏見に淡島はため息をついた
「行ってあげては?」
「淡島くん」
「私としても可愛い妹分が打ちひしがれているのは放ってはおけませんし」
淡島はにこっと笑う
「仕事は私と伏見くんでやっておきますのやで」
「えっ」
「ねぇ、伏見?」
「チッ………わかりましたよ」
目を丸くしていた宗像はふっと笑った
「では、お言葉に甘えて」