K
□相合傘
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何かを察したのか赤城は決して祈李の隣に並ぼうとはせずすぐ後ろを歩いている
不満を書いたような表情をしていた私の制服を水分を含んで少しずつ重たくなってきた
そして、寒い
思わず小さくくしゃみをした拍子に立ち止ると雨が止んだ
「ほら、風邪ひくよ。祈李」
呆れたような口調で赤城は私の頬に触れてくる
「うわっ、冷た」
赤城の手が温かくて頬に添えられて手に無意識で自分の手を重ねる
はっと我に返った時にはもう遅く赤城を見上げれば彼は少し頬を紅潮させていた
「あ、いや、その」
しどろもどろになる赤城は私から視線を逸らした
「な、なんで逃げたの!?」
いきなり質問されて目を丸くした私は思い出したように唇を尖らせた
『…………かったの』
「え、なんて?」
『だからッ!恥ずかしかったの!!』
「へ?」
まぬけな声にむっとして私は赤城に背を向ける
『てゆーか赤城さん、そもそも私前に学校には来ないでって言ったの忘れちゃったの!?』
「言ってたけど、傘持ってないだろうな〜って思ったから迎えにきたんだけど」
だって急に降りだしたし、とにへらと笑いながら言う赤城は私の背後から手を伸ばしてまだ冷たい私の頬に触れる
「で、祈李は何が恥ずかしかったの?」
ばっと振り向くといつもの笑顔がこちらを向いている