K

□Full Moon Night
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今まで以上に顔を赤くして立ち上がろうとするが草薙さんがすかさず私の腰に手を回し私は逃すまいとする

「ほらほら 祈李ちゃん、その可愛え顔を見せてぇな 」

『嫌です、嫌です、きゃーー』

意地の悪い笑みを浮かべて私に迫る草薙さんを両手を使って精一杯抵抗する私

しかし、さすがは大人

高校生の私なんかより一枚も二枚も上で私のささやかな抵抗もむなしくベッドに押し倒されてしまう

『きゃ』

衝撃で思わず悲鳴が上がる

一瞬で私の上に覆い被さった草薙さんは私を見下ろしてびっくりするくらいにこにこと微笑んだ

「なんでも、してるれるんやんな?」

『………へ?』

先ほどとはうってかわり完全に獲物に狙いを浸けた肉食獣の目になった恋人に私は重大な失言をしたのだと気付いた

焦る私の表情を楽しみながら草薙さんは首筋に、こめかみに、頬にキスの雨を降らせる

「なんでもしてくれるなんて優しい恋人持って嬉しいわ」

『あ、あれは』

「ん、もう黙っとき」

人差し指で私唇を押さえ微笑む草薙さんに私はまた顔を赤く染める

「…………好きや、愛しとるで 祈李」

今度は深く口づける草薙さんに私は唇を尖らせた

『イジワル……』


Full Moon Night
(月だけが知っている)
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