K

□7歳差の恋人
1ページ/4ページ


祈李は机に頬をくっつけて端末を操作しメールを送るとメールの受信フォルダを開く

[新着メールなし]

その言葉が今の 祈李には重くのしかかっていた

心にかかる重みはため息となって漏れる

「どーしたのよ、 祈李」

見かねたのか真琴が空いている隣の席に座って頬杖をつく

『ないの』

「なにが?」

『連絡、もう一ヶ月音信不通』

「それは…………ご愁傷さま」

真琴が本気で同情してくれる

「そもそもアンタの彼氏ってさ、確か社会人とか言ってたわよね?」

『そうだよ』

顔に出やすい性格ゆえにすぐ恋人が出来たということがバレ、尋問され口を割ったのだ

――――王なのに

「キツイことかもしんないけどさ、それって愛想つかされたんじゃない?」

『え…………』

思わずがばりと身を起こす 祈李

「だって、連絡無いってことは蒸発されたんでしょ?社会人なら尚更、子供のアンタとの関係はお遊びって考えてたんじゃないの?」

真琴の言葉が胸に突き刺さる

『遊び……』

呆然とする 祈李の肩に腕が回される

「何々? 祈李彼氏に捨てられたの?」

『…………………う』

「え、ウソ……マジで?」

美奈がぱっと離れて沈む 祈李を見下ろす

「世の中に 祈李を振る人いるんたー……」

「美奈、美奈。それ以上言ったら祈李死んじゃうから 」

するとそのときメールが受信された

「彼氏からじゃない!?」

『違う、メル友』

覇気の無い面持ちでメールを開き内容を読んでから 祈李は勢いよく額を机に打ち付けた

「ちょっと!大丈夫!?」

「ど、どうしたの!?」

『メル友も、真琴と同じ意見だった』

かろうじて指を高速で動かし返信する

この世の終わりのように沈む 祈李の肩を友は叩いた

「今日はぱーっといくか、カラオケ」

「私達奢るから一杯歌って新しい恋を探そ?合コンセッティングしてあげるから」

『合コンは遠慮するけどカラオケは行く』

祈李は二人に抱きついた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ