K

□ワイシャツ
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今作はFull Moon Nightの続編となりますのでよろしければそちらも読んでくださいませ

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カーテンからこぼれる日光を受けて祈李は目を覚ました

覚醒とはまだ言えない状態で目元をごしごしとこする

『……朝?』

起き上がろうとすると体に巻き付いている何かによってそれを阻まれる

(――腕?)

首を動かしてその腕の主を見て祈李は固まった

『草…薙……さん』

そこで完全に覚醒した祈李の頭は昨夜の情事を全て思いだし赤くなった

熟睡している草薙を起こさないように気を配りながらも赤くなってちょっとしたパニックに陥った

(私、私……!)

とにかくベッドから抜け出そうと彼の腕からなんとか逃れやっとの思いで上体を起こすと自分が白いワイシャツを着ていることに気付いた

自分より大きいワイシャツは紛れもなく草薙のものだ

その事実がまたしても彼女を慌てさせた

「風邪ひいたら悪いて思って着せてんけど……なかなかの破壊力やな」

『え?……っきゃ』

振り向くより速く腕を引かれ再びベッドに沈みこむ

そして今度は逃げないようにと思ってかしっかり抱き締められて逞しい胸板が押し付けられて祈李はまたしても顔を赤くす

「おはよ、何勝手に逃げようとしとんねん」

『草薙さん!』

朝から絶好調ですね、など言いそうになって慌てて口をつぐむ

「恋人が自分のワイシャツ着とるっていうシチュレーション、男の夢やっていうやろ?」

『……………………はぁ』

間を置いて返事をするがよくわからない

「まぁでもここまでものすごいことになるとは思わんかったなぁ。俺以外の男の前でそんな格好したらあかん祈李」

『しませんよ!』

即答して返すと草薙は笑って祈李を抱き締める

「今日、予定ないんやろ?せやったらまだ時間あるな」

耳元で囁かれ思わず体がビクリと反応してしまいクククと草薙が面白がって笑う

『ちょっ、草薙さん……!』

祈李は背中をゆっくり撫でられ頬を紅潮させる

「好きやで、祈李」

そう言って草薙は祈李に口づけた
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