K
□かけがえのない存在
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「アイツ、彼女ができたからって吠舞羅やめたんだよ」
『ってカラスさんに聞いたんですけど、彼女ができたからってやめる必要なんかないですよね?』
至極真面目な表情で訪ねてくる自身の恋人、祈李に草薙は息をついた
ちなみに彼女がいうカラスさんとは八田のことだ
「せやけど……まぁ、ふつうはやめるやろなぁ」
『何でですか?』
「高確率で彼女にとばっちり食らうから」
すると祈李は不思議そうに目を瞬かせた
まるで子犬のような顔に思わず口元が緩む
『でも、彼女も彼氏がそういう人だってわかった上で付き合うことを決めたならそういうのも覚悟してるんじゃないんですか?』
「それでも自分の預かり知らないところで嫌がらせされたり、最悪人質にされるかもしれんねんで?やっぱり男としては心配やねんて」
顔をしかめて納得のいかないようすの祈李
草薙は先ほどから拭いていたグラスを一旦置いた
「例えば、祈李ちゃんの家族がどっかの組織に捕まったら手ぇ出されへんやろ?」
『?そんなことないですよ。私、もう両親に情なんかないですから』
疑問符を浮かべながらばっさりと断言する祈李に草薙は眉間を押さえた
(そういや、この子の家は崩壊しとったんやったな)
それに彼女は電気を操る王だ、雑魚相手なら対象を一人外して遠隔工芸品するのだって朝飯前だろう