Others 短編

□いつもと違う、朝
1ページ/1ページ



いつもなら清春に流されてサボったり遅刻したりしちゃうけど。

今日ばっかりは、そういうわけにもいかない!





昨日悩みに悩んで買ったものを鞄に詰める。

・・喜んでくれるかなぁ


思わず不安になってしまうけど、そんなことしてる場合じゃなかった。

そろそろ清春を迎えに行かないと、あいつは絶対サボるね!



最近は新しく来た先生の反応を楽しんでるみたいだけど、まだまだ本気を出してない。
あの先生も、きっと夏までにはやめちゃうんだろう。

・・いい先生っぽいなぁって思ったんだけどなぁ・・・・



あたしが先生に対してそういうことを言うと、大概清春のイジメがエスカレートする気がする。
「普通のいい人」だと、清春には物足りないってことなんだろうなぁ・・・・



―考え事をしながらだったからか、いつも以上に早く清春の家に着いた気がする。

 清春のお隣に引っ越してきてから、あたしが迎えに行くのが日課になっている。

<ピンポーン>


「清春ー、学校行くよー」


「・・めんっどくせぇなー、何でわざわざ迎えにくんだよ」


眠たそうに、ラフな格好で出てきた。
・・いや、清春、今日普通に学校あるからね?

「ほらほら、着替えてこないと遅刻するよー」

「うっせぇな、ClassXの俺らが遅刻しよーが、気にするやつなんていねぇっての!」

「今度の先生、ちゃんと出席取ってるよ?
ちゃんと行っておかないと!」

「チッ、何で俺様が・・」


ブツブツ言いながらだけど、家の中に入って行った。
うん、ちゃんと着替えてきてくれると思う




――その後、ちょっと遅刻しそうになったけど。
  あたしが清春の足の速さに着いていけなくなったらどこからかスケボーを出してきてあたしを乗せて、手を引いてくれた。

  ・・・・・すっっっごく怖かったけどね!(いいんだ、清春はそうやってあたしでも遊ぶんだよ・・


  なんとかギリギリ間に合って、クラスの子たちと挨拶してたら



  清春お得意のウォーターガンで水をかけられた




「〜〜清春!!
朝からなんてことしてくれんのよ?!ていうかいつのまに水いれてきたのよ!」

「そんなもん、朝からに決まってンだろォ?!
大体ー、そんなんも避けらんねぇってヤバイんじゃねぇの?悔しかったら避けてみろよ!」


そう言ってまたあの独特な笑い方をする。
・・・・こいつ、あたしが避けられないの知ってて言うんだからホンット性質悪いよ・・・!




――そんなこともありながら、結局時間がすぎて。

  もう放課後になってしまった。



どうしよう、いつ渡せばいいんだろう・・・・・。



あたしの手にはラッピングされた袋。


今日は清春の誕生日だったのだ。



学校のみんなが渡してるときに一緒に渡すのは、あたしからだって気付いてくれなさそうで。

かといって、今日は朝以外ずっと清春は女の子に囲まれてた。


「はぁ・・・・」

「なァーにため息ついてんだよ!
ため息つくと身長縮むんだぜ?」

「ばーか、縮むのは寿命だもんねー」


自分から話し掛けておいて、別に会話を続けるつもりはなかったらしい。

人が居ない静かな体育館に、清春のドリブルの音とシュートの音だけが響く。



――絶対、身長なんか関係ないくらい、上手いのに


清春を見てるといつもそう思う。
確か174センチでしょ?日本人初のNBAプレイヤーは、173センチだったはずだもん。


――ねぇ、清春

  感覚だけじゃなくて、きっとこれからは努力も必要になるよ


  努力もすれば、絶対、清春はNBAにいけるんだよ・・・・・



「・・何してんだよ、俺のこと見てろっつーの!」


清春の声に、思わず俯いていた顔を上げた。

・・その瞬間に、またウォーターガンで水をかけられる。


「きーよーはーるぅー!!」

「てめぇが俺様のこと見てねぇのが悪いンだっつの!」


「・・はぁ・・・・。もういいよ。うん。
それじゃあたし、帰るから。じゃあね」




なんだかもう今日は疲れた。
結局渡せなかったけど、別に清春は気にしないんだろう。

女の子からいっぱいプレゼントもらってたみたいだし。


「待てよ」

「ん?」


「待てっつってンだろ?!
お前今日が何の日か覚えてねぇなんていったら正月ねぇからな?!」

「正月ない?
・・・・あぁ、承知しないって?何をどうやったらそういう間違いが出るのよ・・・」

「うっせぇ!
で!今日は何の日か答えやがれ!」


「いつものことだけどほんっと口悪いよね・・・

今日は5月9日でしょう?
・・清春の誕生日じゃない。

うん、おめでとう」

「・・おせぇんだよ」


ふてくされてる清春が可愛い。
・・滅多にこんな姿見せてくれないもん

「・・・・ごめんね、ちゃんとプレゼントも買ったんだよ」

とりあえず出して、渡す。
柄にもなく手が震えてしまったけど、すぐに手を離したからわからなかったと思う

・・・演技だったら怖いなぁ



「・・・・さんきゅ」

「・・え?」


ちょっと待って、あたし今あの聖帝の小悪魔クラッシャー清春から「さんきゅ」って言われたような気が・・・

いやいや、願望だよね。あたし疲れてるのかなぁ


「だーかーらァ、さんきゅーっつってんだろォ?
・・もしかしてお前から祝ってもらえねぇかと思ったゼ・・」


「え・・?き、清春・・・・・?」



「あーもうめンどくせぇなぁ!

お前は俺様のモンなんだから、俺様のことをデイジーに考えろっつってンだよ!」

「(第一って言いたいんだろうけど)
・・ねぇ、清春、それって・・・・」

「なンだよ、もっとはっきり言ってほしいのか?


・・・・・・お前はァ、俺様のモンなんだよ
勝手にどっか行くなよ、ずっと俺様の傍にいろ

絶対離さねぇからな」



























*あとがき

ぁぃ、5月9日は清春の誕生日でした。ってことで清春夢なんやけど・・・。
初ですよ初。初キヨです(何

わかんないよ・・!ただの変な子だよ!orz


とりあえず甘い言葉は吐かせないとダメかなぁと思って頑張ってみたんですけど、うちには無理だww
鳥肌MAX!wwww


ぁぃ、清春大すけですとも。
あ、違った大好き(ちょw


VitaminX大好きです!!
清春も好きだー!


2008年5月10日 煉 葎。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ