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□帰ってきたら、恋人が僕のベットで寝てました
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 夜の自主トレを終えて、部屋に戻ると、いると思っていたルームメイトがいなかった。
いつもならもう部屋にいて、机に向かっているか、端末をたたいているのに。

「あ、れ?どこ行っちゃったんだろ、エルエルフ…」

彼が行く先に心当たりはなく、ハルトは首をかしげる。

「…まあ、あいつがどっか行っちゃうのはいつものことだし、気にするだけ無駄だよなぁ。先に寝よ…」


ふあ、っとあくびを一つして二段ベットの梯子を上って行き、そのわずか5秒後、静かに梯子を降りてきた。

「…え?な、なに?どういうこと、ウソだろ…?」

自分が見たものが信じられず、目を白黒させる。
とりあえずもう一回確認…と再び梯子を上って、自分のベットをのぞく。

「み、見間違いじゃなかった…」

ベットでは、先ほどいないと思っていたエルエルフが静かな寝息をたてていたのだ。
シーツを握りしめて顔をうずめている様子から、
「自分を求めて潜り込んだのでは?」、といたたまれない気持ちになる。
確かに彼とはそういう関係で、同じベットで寝たことは何度もある。

『だがそれとこれとではわけが違う! 』

ハルト曰く、こんなかわいいことをされたのは初めてだった。真っ赤な顔で、心の中で叫ぶ。
仕方がない、今日は下で寝よう、と梯子を降りようとした時、「んっ」とエルエルフが身じろいで、ハルトは動きを止めた。
起こしてしまったか、と恐る恐るエルエルフの様子を見る。
エルエルフは起きたわけでは無かったが、口が少し動いていて、何かを言っているようだ。
寝言かな?とハルトはエルエルフの口元に耳を近づけた。

「…ハルト…」

確かにそう聞きとれて、更に赤面した。
自分のベットで、しかも自分の名前を寝言で呼ばれる。
キュッとシーツを握るのが見えて、このまま一人で寝かしたくないと思った。
せっかくエルエルフが、無意識でも自分を求めてくれているのだから。

ハルトはエルエルフを起こさないようにそっと布団にもぐりこんだ。
いつからだったか、エルエルフはハルトが相手だと、近づいても起きなくなった。
始めの頃は近づいただけで銃を構えられたなあ、と懐かしく思う。
エルエルフの頭の下に自分の腕を入れ、そのまま抱きしめるように引き寄せた。
それでも起きないエルエルフの額にチュっとキスを落とす。

「お休み、エルエルフ」

腕の中で、エルエルフがほう、と息をついた気がした。




−翌日−

「…どうしてこうなった」

ハルトより早くお目覚めのエルエルフが、腕の中で一人焦っていた。





end

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