嫁ばっかりの世界!?

□08,
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(.........はぁ)


思わずため息が出る





今日の蜜柑が気になってなかなか寝付けない




(どう考えても何かあったはずなんだけどなぁ)




考えても考えても答えは出ない。
違うことを考えようとしても、どうしても出てきてしまう




今日は徹夜覚悟かな、なんて思いながら水を飲みに向かう




下へ降りてみると、ドアの隙間から光が漏れている


(誰かもまだ起きてるんだ)



私がドアを開けようとしたら、取っ手が私の手から離れていき、そのまま戸が聞いた





「あ」
『あ』


不意に出た声が重なる。




「牡丹か。どうした?眠れない?」


『精市.......うん。水飲もうかと思って』



「そっか」



『うん........』



「今日何かあったみたいだね」




...........流石は精市。勘が鋭い





『ちょっと.....ね』




あまり心配させないようにと、笑ってみせた




「..........そんな痛い笑顔なんかじゃあ納得して寝ないよ?」




『.............』



正直言って何も言い返せない。




「.......誰にも話せないこと?」




『そうじゃないけど........』



自分たちのことだから自分でどうにかしたい。そんな変なプライドは精市の一言で砕けた気がした。




『.........じゃあ、話すね?』




「うん」





精市は終始暖かい顔をして聞いてくれていた。




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