リクエスト&記念作品

□彼らの正体
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WCが終わって数週間後のこと。
キセキの世代を獲得した高校と誠凛で合宿をすることになった。(ちなみに場所は京都)
なんでも、キセキの世代と黒子の仲が良くなった記念らしい。
参加校全員が体育館で練習をしていた頃、ある男が体育館に現れた。

「墓森・・・・いや、火神大我はいるか?」

フード付きの黒いパーカーに黒の長ズボンを履いた160くらいの身長の男が体育館の入口に立っていた。

黒子はその男からかすかに血の匂いを感じ取った。

「血の匂い・・・・裏世界の住人でしょうか・・・?」

ぼそりと黒子はつぶやいた。

「火神大我は俺だが・・・・・誰だお前?」

火神が練習を中断し、その男に近づきながら言った。
男はある程度近づいた火神を見てにやりと笑った。

黒子は男が一般人にはわからない程度の殺気を放つのを見て思わず叫んだ。

「火神君!!」

黒子の叫び声に火神は後ろへ飛んだ。
火神が進もうとした先には曲弦糸が張り巡らされていた。

「っ!!」

「ちっ。気がついたか・・・・・。
俺は紅早柳弦(ベニハヤリュウゲン)!!
依頼人の命により、お前たちを殺しに来た!!」


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紅早柳弦(ベニハヤリュウゲン)

匂宮の分家のもの。
名前の柳は、自身が持っている薙刀『柳桜(リュウオウ)』の字から。
弦は、曲弦糸の字から拝借したもの。
ちなみに柳桜は、紅早家の家宝。
手に持つ部分には柳の木の草の部分の模様が描かれており、刀身は桜のような色をしている。

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「紅早・・・・・?匂宮の分家か・・・・」

小さな声で火神はつぶやいた。

「?何の騒ぎだ?」

騒ぎに周りの人は火神たちの方を見た。

「ここで戦うのはやばいな・・・・」

紅早を見ながら火神はつぶやいた。

黒子は体当たりをし、体育館から出した。

「ちっ・・・・・・お前を相手してられないんだが・・・・・・・
早く火神大我を殺さなきゃならないのにな」

紅早は黒子の顔を見て舌打ちをした。

ピクッ

黒子は紅早の言葉に反応をした。

「・・・・・・・火神君、許可をください。
こいつを殺す許可を」

「・・・・・・皆にバレてもいいのか?」

火神は冷たい声で黒子に言った。

「構いません。
今、こいつは火神君のことを殺すと言いました。

僕の主を傷つけるものは・・・・・誰であろうが許しません。」

殺気を放ちながら黒子は言った。

「・・・・・・・わかったよ。
行動を許可する。

・・・・・・好きなようにやっていいぞ」

「ありがとうございます・・・・・火神君・・・・・
いや、我が主。」

黒子はにやりと笑いながら言った。

「紅早・・・・・と言いましたか?

お前は・・・・・・・言ってはいけないことを二回口にした。

闇黒(スペクター)の名に恥じない戦いを。そして墓森大我様の奴隷に恥じない戦いを行わせていただきます」

黒子はどこからか短剣を二本手に持ち、構えた。

「闇黒・・・・・?お前、もしかして・・・・・


人類最冷、闇口テツヤか?!」

紅早は顔を青くさせながら言った。

黒子は表情を変えずに紅早を見ていた。
そして、小さくつぶやいた。

「いいんですか?構えなくて。

意識を集中させないと・・・・・・死にますよ?」

そして、紅早の前から黒子は姿を消した。
火神はじっと黒子の戦いを見ていた。

(終わったな・・・・・・紅早っていったか?・・・・あいつ。

ま、関係ないけど・・・)

お気の毒様

小さく火神はつぶやいた。

参加校のメンバーはただその戦いを呆然と見ていた。

一瞬にして紅早の首が体と離れた。

血は、流れなかった。

綺麗な切り口だった。

「・・・・・・・・終わりました。我が主。

どうしますか?これから・・・・・?」

黒子は返り血を浴びずに火神のもとへ戻ってきた。
ちらりと火神は紅早の死体をみた。

「・・・・・・あいつらに頼むか。」

火神は呆然としていた参加校の中に歩いていき、ある人物の前で止まった。

「後処理・・・・・任せてもいいか?


――――――――――緑間」

「・・・・・・仕方ないのだよ。

――――――引き受けてやる」

火神が緑間と話している頃、黒子もある人物のところまでやってきていた。

「君も行くのですか――――――高尾君。」

「・・・・・・当たり前でしょ、テッちゃん。

俺は、真ちゃんの奴隷なんだから。」

「ちゃんと主を守っているみたいでなによりです。」

「守ってるどころか送り向かいまでしてるよ!

真ちゃんを傷つけようとするやつらは全員殺してやる
たとえそれが、今通ってる先輩でも」

にやりと笑って高尾は言った。
ほんの僅かに殺気を放っていた。

「・・・・・・・そうですか。

ですが、発言する場所を考えましょうか。

ここは、合宿所だということを」

「あ・・・・・・やっべw」

いつもの笑顔で高尾は言った。

「ま、今はそれどころじゃないでしょうが・・・・・。」

「?どういうこと?テッちゃん。」

「あの二人の気配がこちらに近づいてきています。」

あの二人という言葉に高尾はぴくりと反応した。

「あの二人って・・・・・人類最弱と人類最強・・・・・とか言わないよな?」

「・・・・・・・・僕も言いたくありませんが、そのまさかですよ。」

「・・・・・・・最悪」

高尾は小さくつぶやいた。
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