影の守護者
□第4話
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「・・・・・し。綱吉!!」
過去のことを考えていた綱吉は赤司の声ではっと気がついた。
「えっ?」
「僕の話を聞いてた?」
黒い笑顔で赤司が綱吉に訪ねた。
綱吉は冷や汗を流した。
「ごめんなさい・・・。
昔のことを思い出してました・・・。」
"昔"という言葉にキセキの世代全員がぴくりと反応した。
赤司はため息をついてから言った。
「ま・・・今回は許そう。
次はないよ?」
「ハイ・・・」
しょぼんとした顔で綱吉は返事をした。
はぁと赤司はため息をついて腕を組みながら再び言った。
「綱吉はこれからどうしたいの?」
「これから?」
「そう。
これから"俺たち"にどうして欲しいの?
"元"守護者たちとぎこちないけれど平和な日常を送りたいのか、それとも"元"守護者たちと袂を分かつのか。
綱吉はどっちを選ぶの?」
「俺は・・・」
赤司は獄寺たちを"元"守護者と言った。
影の守護者たちは彼らを守護者とは認めないという意思なのだろう。
けれど、綱吉の心の奥の方ではまだ彼らを信じていたいという気持ちもある。
そのせいで綱吉は返答にためらっていた。
「・・・・・・・・。」
「・・・・わかった。
返事はまたあとでいいよ。
とりあえず、テツヤと誠凛の皆さんと一緒に並盛に偵察に行っておいで。
今、あそこで何が起こってるのかを見てから返事を聞くとしよう。」
「並盛で何かが起きてるの・・・?」
悲しそうな顔で綱吉は赤司を見た。
赤司はこくりと頷いた。
そして紫原が少し補足をした。
「何かって言っても、問題ってわけじゃないよ〜?
ただ、ツナちんにとって悪い事が起きてるだけ〜」
「俺にとって悪い事・・・?」
「敦。それ以上言うな。」
「はーい」
赤司が紫原の方をちらりと見ながら言った。
綱吉は???とよくわからないと言いたげな顔で考えていた。