影の守護者

□第3話
1ページ/6ページ

時間は2年前へ遡る―

キセキの世代と言われていた彼らがまだ才能が開花していない頃のことだ。
赤司、緑間、紫原、青峰、黄瀬、黒子はある秘密を持っていた。
それは、彼らが裏社会と関わりを持っていたこと。


彼らの先祖は、ボンゴレを創立時から支えてきた影の守護者の血族なのだ。
けれど、その事実はボンゴレにはない。
なぜなら、彼らは初代の血族しか見守っていなかったからだ。
なので、2代目からはただボンゴレを見守っていただけにすぎない。


彼らの先祖と初代が出会ったのは日本。
彼らの先祖と初代が出会ったのは偶然だった。
初代が街を歩いていたときに彼らと出会った。
出会ってから彼らは度々会うようになった。
話が通じたのか、初代から会いに行っていたのかは定かではない。
そして、ある日。初代が彼らに言った。

『この国にいる俺の子孫を見守ってくれないか?』

初代は彼らにも死ぬ気の炎が出せることを知っていた。
そして彼らも、彼がマフィアのボスだったことを知っていた。
それでもなお、彼らは会っていたのだ。
彼らには、いつの間にか絆が芽生えていた。
彼らは了承した。
そして、赤司の家の先祖が言った。

『その代わり、俺たちはイタリアの問題には関わらない。
それでいいならその話を乗ってやる。』

初代はその条件をのんだ。
それからずっと、彼らは初代の子孫を見守り続けていた―


現在、赤司たち6人はバスケにはまっていた。
もちろん、初代の子孫を見守り続けている。

「今日もあそこは平和っスね〜」

シュートをしながら黄瀬が言った。
青峰は「まぁな」と言った。
黄瀬が言ったあそことは、沢田家のこと。
今日も、あの一家は平和そのものだ。
彼らは一族の使命を恨んだことはない。
ただ見守ればいいのだ。
危険があれば自分たちが影で戦う。
たったそれだけだ。
けれど、過去にそんなことはなかった。
ただ、沢田家光がボンゴレに行くのは驚いたが彼らで話し合った結果、彼は管轄外となった。

「無駄口を叩いていないで練習しろ」

赤司は二人を見て注意をする。
二人は「「はーい」」と言った。
そして赤司は手元のボードを見た。
そこに書かれていたのは桃井から送られた沢田家の情報だ。

桃井の家は情報屋として有名だ。
彼らの先祖も度々お世話になっている。


『幼少期、沢田家の息子、沢田綱吉が9代目と接触。
そこで死ぬ気の炎を封じることになった。
そして現在、運動神経は人より劣り周りから【ダメツナ】と呼ばれるようになる。
そのことに沢田綱吉は悲しんでいたが現在もそのことを母親に隠し続けている』

「ダメツナ・・・ね」

赤司がポツリとつぶやいた。

(あの頃は・・・そんなことはなかったはずだが・・・?)

赤司は心の中でそう思った。


綱吉は今帝光中学校の近くを歩いていた。
母親からお使いを頼まれた綱吉。
けれど、道に迷ってしまったのだ。

「ここどこだろ・・・?」

キョロキョロと周りを見渡しながらつぶやく綱吉。
その様子を黒子が見ていた。

「彼は・・・」

黒子は綱吉へ近づく。
なぜ、彼がここに居るのかと考えながら黒子は綱吉に話しかけた。

「どうしたんですか?」

「えっと・・・迷子になっちゃって・・・」

悲しげな顔をしながら説明する綱吉。
どうやら、この街のスーパーへ行くつもりが、住宅地へと来てしまったらしい。

「そうだったんですか・・・。
なら、僕が連れて行ってあげますよ」

「ほんと!?」

「はい、ちょっとついてきてくれませんか?
キャプテンにこのことを伝えないと・・・」

そう言って黒子は綱吉と一緒に第1体育館へ向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ