影の守護者

□第2話
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「守護者??」

小金井が頭に疑問符を浮かべながら言った。
黒子は誠凛のみんなに説明した。

「綱吉君を守る人達のことを守護者って言うんですよ。
綱吉君はいろんな人に狙われやすい立場なんです。」

「え?どこかのお坊っちゃんだとか?」

伊月が言った。

「ま、大体あってるっスね」

苦笑して黄瀬が言った。

「綱吉。」

ん?と綱吉は赤司の方を向いた。
真剣な瞳で赤司は綱吉に言った。

「僕たちのことを彼らに話しても大丈夫かい?
もちろん、僕たちのことを言うってことは、彼らも僕たちの世界に立ち入るということになる。
けれど・・・このままでも良くないと思うんだ。」

悲しげな顔でうつむいていた綱吉。
けれど、小さな声で赤司に言った。

「構わないよ・・・。
確かに、赤司さんの言うことは正しいから・・・。
それに」

綱吉は笑って顔をあげた。

「それに、皆さんのことは俺たちが守ればいいんですから」

赤司は驚いた顔をした。
その会話を聞いていた緑間。
緑間は眼鏡をあげた。
けれど、顔は笑っていた。

のそりと突然紫原が動いた。
そして綱吉を膝の上に乗せた。

「???あの・・・?」

紫原の顔を見て綱吉は混乱していた。

「?辛いんじゃないの?
ならさ〜少し寝たら?
気がついていないかもしれないけど・・・ツナちん、ずっと苦しそうな顔をしてたよ?」

「!!!」

綱吉は紫原を軽く抱きしめた。

「っ・・・」

ポロポロと泣き始める綱吉。
紫原はただ頭を撫でていた。



泣き疲れたのか、綱吉はぐっすりと眠っていた。
今は紫原に抱かれて眠っている。

「それで・・・正直のことを話して。
守護者って・・・何?」

「・・・綱吉には許可をもらったし。
話してあげる。」

赤司が腕を組んで言った。

「綱吉はマフィアのボスなんだよ。
それも、普通のマフィアじゃない。
マフィアのトップ的実力を持つマフィアだ。」

「マフィアって・・・本当にいたのか・・・。」

木吉がぼそりとつぶやいた。
今日はあんまりボケをはなさない木吉さん。
(ま、そりゃそうか・・・。こんなにシリアスだからね・・・)

「それで、本当は彼には守護者がいる。
彼を守る立場の人たちが6人ね・・・。」

「それが・・・さっき話していた人物たち。
獄寺と山本。ほかにもいるんスけど・・・。」

黄瀬が赤司のあとに説明をした。
けれど、言葉のあとを濁す。

「そいつらはどうやら沢田のことを信じなかったみたいなのだよ。
守護者6人全員な」

緑間が眼鏡を上げながら言った。
そのあとに青峰が言った。

「ツナはその仲間たちを守るためにマフィアがいる社会・・・裏社会に入ることにしたんだ。

けど・・・その仲間たちに裏切られた。」

「その時の綱吉君の悲しみは大きかったでしょうね。」

黒子がうつむいて言った。

「ツナちんはもろいんだよ。
心が強いけどもろくもあるんだ〜」

さくりとまいう棒を食べながら紫原が言った。

「?そういえば、なんでお前らそんな話知ってるんだ?」

日向が彼らに訪ねた。
赤司はにっこりと笑いながら言った。

「僕たちは綱吉の影の守護者だ。」

「影の守護者?」

リコがよくわからないという顔で言った。

「そう。」

「もし彼らが裏切ったとき」

「俺たちが動かなくてはいけない。」

「影でボスを守る」

「それが僕たち」

「キセキの世代なんだよ〜」

赤司、黄瀬、緑間、青峰、黒子、紫原の順で言った。
ポカーンとした顔で誠凛メンバーは黙っていた。
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