短編集

□キセキと大空
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「赤ちん〜ちょっと寄りたいところがあるんだけど〜」

並盛中との練習試合をした帰りに紫原が突然言った。

「いいが・・・どこだ?」

「ん〜とね、俺の大切な人〜」

まいう棒を食べながら紫原は答える。
その言葉に黄瀬が食いついた。

「え!大切な人って誰っすか?!」

「秘密〜」

「え〜!!」

「んじゃ、後でね〜」

そして紫原はその場を去る。

「黄瀬、気にならないか?」

青峰が黄瀬に言った。
黄瀬はこくりと頷く。

「確かに気になるっス」

「僕もすこし気になります」

「私も少しは気になるかな?」

ひょこっと黄瀬の後ろから言う黒子。
そして黒子のとなりには桃井がいた。

「他人の事情に首をつっこんではいけないのだよ」


眼鏡を上げて言う緑間。
少し考えて赤司が言った。

「そんなに気になるのなら敦についていけばいいだろ?」

「それじゃあ行きましょうか」

うきうきとした顔で黒子が言った。
どうやら彼ら全員で紫原についていくらしい。

「なんで赤ちんたちもついてくるの〜?」

「敦の大切な人を人目見ておきたくてね。」

「別にいいけど〜。
あ、着いた。
ここだよ、目的の場所。」

そこは普通の一軒家。
紫原は普通にインターホンを押した。

「はーい。ってあら?敦君。
いらっしゃい。今日はお友達も一緒なの?」

扉から出てきたのはこの家の母親と思われる女性。

「ツナちんはいる?」

「つー君?いるわよ。
つー君!敦君が来てるわよ〜!」

ぱたぱたと廊下を走る音が聞こえた。
そして奥から出てきたのは茶色の髪と瞳の少年だった。

「あ、敦君いらっしゃい!
後ろの人たちは・・・バスケ部の人たち?」

「あれ?ツナちんなんで知ってるの〜?」

「そりゃ、テレビとかであんなに報道されてたら覚えるよ・・・」

「敦、彼は?」

「あ、忘れてた。
ツナちんだよ〜沢田綱吉。」

「沢田綱吉です。よろしくお願いします」

にこっと笑って綱吉は言った。

「立ち話もなんなので奥へどうぞ?
敦君の好きなお菓子もありますし・・・」

「マジで〜!まいう棒ある?」

こくりと頷く綱吉。
7人は綱吉の家に入っていった。
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