短編集

□妙幻之鬼の誕生秘話
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ある村に一人の少年がいました。
少年には親も友達もいませんでした。
少年には愛情も友情も、ぬくもりを感じたことはありませんでした。

ある日、少年は散歩に出かけました。
ただ、見知らぬ人に会って話をしたかっただけでした。

けれど、ふと気がつくと少年は見知らぬ森にいました。
少年はその場所で人を探しました。
けれど、誰も見つけることができませんでした。
あきらめて少年はもといた場所へ帰ろうとしました。

けれど、いくら歩いても元の場所にはたどり着けませんでした。
何年間もその日々をすごしました。
そして、とうとう少年は死んでしまいました。
けれど、少年には思いのこしがありました。
それは、『誰かのぬくもりが欲しい』ということだけ。

そして、少年は悲しき鬼になりました。
ただ、誰かのぬくもりが欲しいだけ。
けれど、彼が鬼だとわかると人々は彼を避けました。

ある日、少年は一人の青年に出会いました。
青年は半妖で、百鬼夜行を集めているそうでした。

青年の名前は奴良鯉伴。
のちに、奴良組の二代目となる人物。

少年は彼の手を取りました。
そして、影から彼等を守り続けました。

唯一のぬくもりをなくさないために・・・。


こんな感じで妙幻之鬼は妖怪となってしまいました。
彼が迷い込んだのは幻の世の一つといわれている妙幻山(みょうげんやま)。
入ったら最後、出られないと言われている伝説の山。

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