策士のゲーム

□第2話
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「え?兄貴、俺変なこといった?」

蒼夜は首をかしげて赤司に尋ねる。

「いや、テツヤは影が薄くてね。
見つけることが難しいんだが・・・」

ふーんとつぶやいて蒼夜は黒子を見た。
水色の髪をした普通の少年だ。

「けどさ・・・。
見つけたんだから・・・しょうがなくね?」

頭を少しかきながら蒼夜が言った。
普段の赤司がこのようなことをしたらとふと黄瀬と青峰は考えた。

「涼太、大輝。今から外周10周してこい。」

赤司が二人に命じた。
二人は顔を青くして、すぐに走っていった。

「そんなことよりも、俺を呼んだ理由を言ってくれよ。
俺、用事があるんだけど・・・」

「用事?なにかあったか?」

「ペンとかのインクが切れたんだよ。
だから文房具店へ買いに行くんだけど・・・」

はぁと蒼夜はため息をついた。

「そんなのは後で俺がどうにかする。」

「なんか不安だ・・・(ボソッ)」

「何か言った?」

「いいやなにも・・・(怖えー)」

蒼夜は冷や汗をかいた。
ちょうどその頃に二人が帰ってきた。

そして突然赤司が蒼夜に命じた。

「蒼夜。今から適当にチームを作れ。」

「・・・は?」

一瞬なにを言ったのかわからなかった。

「・・・まぁ、いいけど・・・。
んー・・・兄貴も入れるのか?」

「俺は入れなくていい。」

「じゃあ・・・青峰と黒子で1チーム。
で、紫原と黄瀬と緑間で二人を止めてみるっていうのはどう?
そんで、負けたほうが罰ゲームw」

にっこりと笑った。

(((((赤司/赤司っち/赤ちん/赤司君にそっくりだ)))))

5人は一瞬そう思った。

「時間は?」

「そうだな・・・10分ぐらい?
大体その時間って第1Qと同じ時間だろ?」

そして、ミニゲームが始まった。

(くそっ!すっげーやりにくい)

青峰はそう思った。
紫原の身長と何よりも黄瀬のコピー能力。
たとえ黒子がボールを回してきたとしても、ディフェンスが強すぎるのだ。

「1on1で戦うのになれていても・・・チーム同士で戦うのには少し違うんだよなー♪」

楽しそうに笑いながら蒼夜は言った。
赤司は試合を見ながらにやりと笑った。



簡単なミニゲームが終わった頃、黒子達はヘトヘトだった。

「やっぱり、練習内容は蒼夜に任せたほうがいいな。」

「勘弁してよ・・・ただでさえめんどくさ
「何かいったか?」
・・・いえ、なんでもないです。
やらせてもらいますよ・・・」

ため息をついて蒼夜は言った。
そして、ふとキセキの世代は疑問を口にした。

「練習内容を考えていたのは赤司っちじゃないんスか?」

黄瀬が赤司に尋ねた。
蒼夜が答える。

「少しの間は俺が考えてたんだけど・・・。
最近はバスケ部に見に行ってなかったから兄貴が考えてたんだよ。
俺のもともとの練習内容も加えてるみたいだけど・・・」

蒼夜は少し苦笑した。
ポカーンとキセキの世代はしていた。

「俺は蒼夜のことは『策士』って呼んでるけどな。」

「やめてくれよ兄貴・・・。俺、それ嫌いなんだけど。」

「なぜだ?ぴったりじゃないか?」

「ただでさえバスケ部員じゃないのに・・・。
周りから変な目で見られるの嫌いなんだよ・・・」

「なら、バスケ部に入ればいいじゃないか」

一瞬間が空いた。
そして、蒼夜がつぶやく。

「俺、プレイするより見るほうが好きなんだけど。」

「けど、実際実力はあるだろ?」

にやりと笑いながら赤司は言った。
蒼夜はため息をつきながら言った。

「ま・・・フォローは兄貴に任せるよ・・・。
それでいいなら入ってもいいけど・・・?」

ちらっとキセキの世代を見る蒼夜。

「それに・・・もう少しあいつらを磨いておきたいんだ。
もっと成長すると思うよ・・・チーム力をどうにかすればな。

ま・・・かなう相手がいればだけど・・・(ボソッ)」

「じゃあ、入部届は書いておくよ。」

「ん・・・じゃあ、俺帰ってもいい?」

「練習が終わるまで待て」

ぎらりと蒼夜を睨む赤司。
ぴたりと蒼夜は止まり「はい・・・」とつぶやいた。

(さっきのミニゲーム・・・黒子のパスが全然出ていなかった。
青峰はひとりでゲームをしているし・・・。
何よりも、バスケが面白くないように見えるんだけど・・・。
気のせいか?)

さっきのミニゲームのを見て蒼夜は今のチームのことを考えていた。
そして、その様子を黒子が見つめていた。
 

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