10/26の日記

21:05
星組『日のあたる方へ-私という名の他者-』@日本青年館
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『ジキルとハイド』原作と言うことで、公演ラインアップ上に発表された時から是非とも観劇したいと思っていた作品でした。
星組公演は轟さん主演の『南太平洋』以来です。

生まれながらの感覚のせいで、それぞれの思い人に対して同じ苦しみを感じたジョセフ・ケーブル中尉とヒロインのネリー・フォーブッシュ。
それぞれの役を演じた真風涼帆さんと妃海風さん。
『南太平洋』をとおして好きになった生徒さんでしたので、『日のあたる方へ-私という名の他者-』でお2人が主演されることが決まった時は本当に嬉しかったです。

さて、ヒロイン役妃海さんが演じたマリアは、精神疾患を抱えた女性という役回り。
薬を服用したことにより、精神の病を患う原因となった年齢まで精神が後退するなど、大変難しい役どころだったと思いますが、役作り等を本当に頑張られたのでしょう。
彼女の演技によって、マリアをとおして舞台上で起きる全ての事に臨場感を感じました。
まるで演技とは思えない。
何もかもが本当に目の前で起きているかのような錯覚をしてしまうほどの演技力に圧倒されました。

そして、主演の真風さん演じるジキルは、ジキルとハイドの精神の演じ分けが素晴らしく、また、ハイドに精神を支配されまいとするジキルの葛藤等、複雑な感情を表現されていました。

また、音波みのりさん演じるマリアの妹ジュリア役は、裕福な家庭のお嬢様らしさのイメージを表現されていて、偉大なお父様が大好きで、ちょっとわがまま娘な役どころがとてもかわいらしく感じました。

宝塚歌劇のラストは幸せなラストを迎えるから、なおのこと観劇して幸せな気持ちになれるのだと思います。

この公演のラストも勿論ハッピーエンド。

犯罪を犯しても精神疾患が認められたら刑が軽くなるというのはどうであろうか。
犯した罪は罪ではないのだろうか―

考えさせられるエンディングでもありました。

ジキルを思っていたジュリアが、ラストシーンでマリアの精神が正常に戻り、ジキルとマリアを祝福して身を退く姿は、ジュリアの優しさを感じました。
"わがままお嬢様気質のジュリア"ならば、ぷすっとした顔をして憎まれ口の1つでも叩いてしまったかもしれないけれど、姉の幸せを純粋に祝福できたのは音波さんの優しさがそうさせたのかなとも、これは勝手な解釈ですが、思いました。

最後に、記憶している舞台セットが近代的だったこと。
星組生のエネルギッシュな感じと、演じ手の若さにマッチしていたように感じました。

主演の真風さん、妃海さんはじめ星組の皆さん、素晴らしい公演でした

(1階最前列40番台にて観劇)


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