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□何時になったら本気になってくれますか?
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「なぁ、ル〜〜〜ク〜〜〜キスしよ?」



「何を言っているんだ、お前は」





オイラが甘い猫なで声を出してルークを誘うと、ルークはもろに嫌そうな顔をした。

別にそんな顔しなくったっていいじゃん……。



オイラたち付き合ってるのに、とぼそりと呟いたらそうだったか?って返ってきた。酷い!!


じろりと睨むとルークはくすりと微笑した。

オイラはたまらず顔が熱くなる。




何時だってそうだ。オイラはこんなにもどきどきしてるっていうのに、ルークは澄ました顔をしている。

キスをねだっても、抱きついてすりよったりしても、本気になってなんてくれない。


何時もどこか余裕のある表情をしてオイラの行為をかわす。





「ルーク!何時になったら本気になってくれるんだよ!」


オイラは絶えられなくなって叫ぶ。



「じゃあ、俺を本気にさせてみろ」


「え、」





返ってきた言葉は予想外のもので、思わずオイラはルークを二度見した。


お、オイラがルークを本気に……!?





身体が熱くなる。





「お、オイラ…何時も頑張ってるんだけど……」





さっきだってキスねだったけど、無理だったじゃん。



オイラじゃ……ルークを本気にはさせられないってこと?






気持ちが萎んで、今にも泣きそうだった。





そんなオイラにルークは焦ったような顔をして頭を撫でる。






「……る、ルーク?」



「俺は何時だって本気だ。君が気付いていないだけで」




凄く真剣な表情で言ってくるルークにオイラはきゅんと胸を高鳴らせて目を見つめる。




「で、でもルークは」





オイラとキス、してくれないと呟くと頬を赤く染めた。







「……ルー……っん!?」





優しく触れた唇。



オイラは思わずビクッと身体を強張らせた。





一瞬にして唇が離れていく。




「る!ルーク!!?」




「これで分かっただろ。俺は何時だって本気だと。


何時だって君に触れたい、
何時だって君にキスしたい。


ずっと思ってたけど我慢してただけだ」



「な、別に我慢なんて…」



急に言われた甘い言葉に心臓ばくばくになりながらオイラはルークに訴えた。







「一度手を出すと止まらなくなる。君のことは大事にしたい」




そう言って見事な王子様スマイル。




「つ……ルークぅううううう!!!!!!!!」






多分オイラ今顔真っ赤。





どうしようオイラヤバい!ルークがかっこいい!!バカ!!






「おわっ!だからいきなり近付くなバカ!」





「馬鹿でもいい!オイラルークに抱かれたい、今すぐ!!」




「アントニオ……」





困ったように、いとおしそうにオイラを見つめるルークにオイラは思いっきり抱き着いた。







その夜、ルークにむちゃくちゃに抱かれたのは言うまでもない。







end



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