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□端から見れば夫婦です
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「せんせー。今日ネギとじゃがいもが安いっすよ」


「ん?そうなのか!?じゃあ早速買って帰らないとなぁ」




放課後。スーパーのチラシを見つけて、調度いいところに土井先生を見つけた俺は今日安いものを先生に教えておいた。



「あ、俺買って来ますよ?」





本当は一緒に買いにいきたい。…なんて言葉は飲み込んで、自分が買いに行くと伝える。

大体俺がわざわざ安いもの伝えるだけで一緒に行きたいってアピールしていることを目の前の教師は分かっている筈もなく、内心少し寂しくなった。

何時からだったか先生に恋心を抱くようになった俺は何時も空回りしている気がする。




「いや、一緒に行こう」





えっ……




そう言った土井先生は優しく微笑んで、俺は思わず二度見してしまった。





「い、いの?」




うわ、これ俺が一緒に行きたいって思ってたってバレバレじゃん。




俺が恥ずかしがりながら聞くと、土井先生はにっこり微笑んで、


「ああ。一緒に行こうな?」



と言った。




その言葉に舞い上がって思わず躓きそうになりながらも俺は嬉しくて大きな声で返事をした。




「はいッ!!」





そんな俺を見て先生はきゅっと目を細めて満足気に頷いた。


夕日に照らされた校舎がオレンジ色に染まる。

そのオレンジ色が俺と土井先生を優しく包み込んだ。






end



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