その他

□愛は君限定。
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とある日曜日の日のこと。




私はとあるカフェへと足を運んだ。


ここのパフェは美味しいからな、と思いながらカフェの入り口のドアを開けると中からきゃぴきゃぴとした声が聞こえてきた。


思わず、眉にシワを寄せる。






「まぁたまた〜お姉さん、美人じゃん!」

「そんなこと無いわよ〜」


「謙遜しちゃって〜オイラのハートわしずかみにしてる癖に!」




…ああ、イライラすることこの上ない。


全く。どうしてコイツは何時もこうなんだ。




私の目の前に居るのは、楽しそうに女性と会話をするアントニオだった。


そんなアントニオが私に気付いたのが、五秒後のこと。




「よぉ!ルークじゃん!!」


「……ああ」




私の気持ちなど一才知らずに、キラキラとしたオーラを振り撒いてこっちに手を振る。






何故、こんなにも。





私は前から彼に惹かれていたのだが、彼にそんな気持ちは伝わる筈なく。


やきもきした毎日を送る羽目となっているのだが。





「こっちこっち!」




アントニオがトントンと自分の隣の椅子を叩く。

座れ、ということだろう。





「いい」



私の気持ちも知らないで、と半分睨みをきかせながらアントニオの座るカウンターの席の後ろのテーブル席へと腰掛けた。




アントニオの視線が痛かったが、イライラが消える筈もなく。
つい当たってしまった。




いや、いい。悪いのはコイツだ。




コイツが毎回毎回同じようなことをして私を妬かせるから―――。




そんなことを思って、カフェの店員を呼んでパフェを注文した。





――そうか、妬いているのか 私は。





「……………。」






妙に気分が落ち込み、アントニオの座るカウンター席へと目を向けるも、もうそこに彼の姿は無かった。









「なぁ、ルーク」





「!!?!?」






突然隣からアントニオの声。




私がぼーっとしている内に隣へと来ていたらしいアントニオが不思議そうに私を見つめていた。





「ど、どうした?」




多分、今かなり動揺している。(隠しきれないほど)





「何怒ってるんだよ〜?」


「なっ、私は怒ってなど!」





いない、そう言おうとする前にアントニオの瞳が私の瞳を捉えた。



「怒ってんじゃん!あ〜もしかしてヤキモチですかルーちゃんっ♪」


「煩いっ!だから怒ってなどいないと…」






ちゅ、と音がして左頬に柔らかい感触。





「お、おま……!!」




私はぱくぱくとまるで餌を求める金魚のように口を動かした。
顔が熱い。





なにをしてくれたんだコイツ……!!






「な、何故!おい!馬鹿トニオっ…!」


「ちょっ、馬鹿トニオはないだろ〜!?
だってルークがヤキモチなんて死ぬ程可愛いじゃん!!」


「なっ・・・!」




コイツは!本当にコイツは!!




だから嫌なんだ、他の女性に言うみたいに言う、口説き文句。

私がどれ程傷ついてるか、分かってるのか?




「私をそこらの女性と一緒にするな。」



「一緒じゃないぜ?」




ばちりと合わさる視線。




その視線に、呑まれそうになった。









「オイラは挨拶がわりで女性には言うけど、ルークにはちゃんと本音だぜ?」


「ほ、本音って」




どきりと心臓が高鳴った。







「ルークは特別。可愛いし綺麗だしオイラのモノにしたいって……これが本音」



「………っ」





分かった?と言って私の顔を覗き見るアントニオの顔を、直視出来なかった。





ああ、何故だろう。
凄く幸せな気分で………






そんなことを考えていると、注文したパフェが運ばれて来た。






「ほら、あーん♪」




アントニオが私に掬ったアイスを乗っけたスプーンをつきだしてくる。




「なっ、む、むり……」






……嗚呼、何処まででも私を翻弄するつもりだ。




このチャラチャラした、優しい王子様は。





.


(ほら、ルーちゃん♪)


(無理だと言ってるだろ…!)


(恥ずかしがってるルークもかっわい〜)


(お前は!またそう言う…っ)


(いいじゃん、本当のことなんだし)

(……………ッ)




end


――――――――――
チャラチャラしてるけど、ルークへの愛は本物です。

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