その他

□残念ながらべた惚れ
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「翔悟を守らなければ」



ルークの言うその台詞。オイラが一番大嫌いな台詞だ。


勿論ボーンファイターとして、ドラコンボーンとしてだということは分かってる。

けど、やっぱオイラは妬いてしまう。








月明かりが闇を照らす夜。
ただその一点の光の下、オイラ達ボーンファイターは作戦会議という名のじゃれあいをしていた。




「また奴らがやって来たら…僕1人で華麗に倒してみせますよ!」


「お前な……」


「1人でなんて無茶ですよ…。」



ギルバートと翔悟とタイロンが話し込んでいる。



「ああ。翔悟を守るには、全員で力をあわせなければならない」




またそれかよ…。


何時だってルークは、そればっかり。




翔悟翔悟翔悟…ってちょっとはオイラのことも気にして欲しいぜ。

別に守って欲しいとまでは言わないけどさ…。




オイラはそんなことを思いながらルークに目を向けた。
ルークはオイラには気付かないで話し込んでいる。





「ルークさんの言う通りです。力を合わせるべきですよ。ね、アントニオ」


「え、ああ!うん!あったりまえじゃん!!」



いきなり振ってきたタイロンに慌てて返事を返す。




い、いきなり心臓に悪いぜ……。






「仕方ないですね。あくまで仕方なく、ですからね!」



「お前……素直じゃないよなぁ」





ここで話合いはお開きとなった。

翔悟もギルバートもタイロンも…そしてルークも戻っていく。


オイラはモヤモヤとしたこの感情を消し去りたくて、オイラの前を歩いていたルークの髪を引っ張った。




「!?」




驚いて振り向くルーク。





あ、やっば。オイラ何も考えず引っ張っちゃった……。





ただ、振り向いて欲しくて。






「………どうした」



案の定、首を傾げオイラを見つめるルーク。


あんまり、そんな目でオイラを見つめないでくれよ……。






「ご、ごめ!オイラ…え、えーと。ルークの髪に糸屑が……」



「そうか」






そこで沈黙に包まれる。






「え…と、その」





何もかも見透かしたような目で見つめられる。





「……君が」


「え?」




「…私のことは君が守ってくれるのだろう?」





「………え」





な、んだって…。



オイラはただ呆然と立ち尽くした。





「…あ、え、と……当たり前だろ!?」






オイラがしどろもどろでそう返すと、ルークはにっこり微笑んできた。






ああもうルーク……それ反則……







オイラ、ルークにぞっこん中。





.


(オイラ何があってもルークを守るからな!)


(それは頼もしい)






end




title確かに恋だった




.

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