その他
□好きかも、しれない
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オイラ恋ってよく分かんないんだけどさぁ、綺麗なお姉様達には誉め言葉をあげなくちゃね♪
なんて言うの?エチケット、ってやつ?
なんて独りで思って独りで満足気に頷いていると目の前の席に座るルークと目が合った。
うわっ……
なんかオイラルークの目が苦手なんだよなぁ〜理由は分からないけど。
あの透き通った瞳。
まるで何もかも見透かしていそうな瞳。
そんな瞳を持つ彼はパクパクとケーキを口に運んでいる。
「でさぁ、早穂の奴いきなり翔ちゃんの馬鹿!とか言って…」
「はっ、女心が分かって居ませんね!」
目の前で翔悟とギルバートが話をしている。
タイロンはそんな二人の様子をひやひやした様子で見守っていた。
ああ、そうそう。
オイラこの二人が話しているのを聞いて、さっきあんな風に思ったんだよなぁ。
だって早穂チャンは絶対翔悟のことが好きだし!
最もオイラには、そんな気持ち分かりゃしないけど。
「全く、早穂さんはどうしてこんな奴なんか……まだアントニオのがマシですよ」
「おいおい!聞き捨てならねぇーなぁ。マシってなんだよマシって!」
生意気なことを言うギルバートに、イラッときて突っ掛かる。
「なんです、本当のことを言っただけじゃないですか」
「〜〜〜〜ッ!お前なぁ!本当坊やは生意気だな!!」
「誰が坊やですって!?」
「やめてください二人とも!」
ぎゃあぎゃあと争うオイラ達をタイロンが宥める。
ギルバートはふんッ、とそっぽを向いた。
本当喰えねぇ奴……。
「……喧嘩するな。ケーキが不味くなる」
うおっ!?
ルークのドスのきいた声で、オイラの心臓バクバクしてる…。
んなに怖かったか?
「すみません……」
ギルバートもルークのドスのきいた声にびびったのか素直に謝った。
やっぱスゲーなぁルーちゃんは。
「ルークさんもっと早く止めてくださいよ…」
タイロンがそうボソッと言ったのがオイラには聞こえた。
でもルークには聞こえ無かったのか、無言でケーキを食っている。
「…で、さっきの話ですが」
「ええー。またかよ」
ギルバートと翔悟がまた話はじめて、オイラは特にやることも無かったから二人の話を聞くことにした。
「早穂さんは…きっと翔悟が…す、好きなんですよ。…ああもう!どうしてこんな奴が…」
「だから!話振り返すなよ!!」
「はぁ…すみませんすみません」
「心こもってないんだけど…。てか好き、ってどんな感じなんだよ?」
そうそう、オイラもそこが聞きたい。
ギルバートはそうですね…と呟くと語り始めた。
「相手のことを思うと苦しくなったりするんですよ。あとは……目を見ると苦しくなったりときめいたり。僕は、好きな人の目を見るのが苦手です。ドキドキしてしまいますし……。」
……目を見るのが苦手……?
「お前、本当に13歳?」
「煩いですよ。」
オイラはぽかんとしていた。
目を見るのが苦手、って……オイラ確かルークの目苦手とか言ってたよな……。
いやぁ、そんな筈は……。
「あと……声を聞くとドキドキしてしまうんですよ。これは分かるでしょう」
「えー?声を聞くとドキドキぃ?」
声を聞くと……?
オイラ確かさっき…
“ルークのドスのきいた声で、オイラの心臓バクバクしてる…。”
いや、あれはドスの聞いた声にびっくりして……。
うん、ちがうチガウ。
なんかさっきからオイラ何考えてんだ……。
はぁー、と聞こえないように溜め息を吐いた。
「あ!微笑まれるともう駄目ですね!」
「ギルバート…お前さっきから何熱く語ってんの?」
微笑え……
オイラはちらりとルークに目を向けた。
「……………!」
目が合って、
――――クスッ、と微笑まれた。
「………………」
ああ、駄目じゃんオイラ。
もしかしたら、――――――いやもう既に。
.
(す、好き……?)
(え、アントニオ好きな奴居んの?)
(誰です?)
(え、あ、違―――)
(私も気になるな)
(……………ッ!)
end
―――――――――――
ルークは確信犯ですw
title確かに恋だった
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