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□スカイブルーの憂鬱
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「グレイ様、あの…」

いつも通り騒がしいギルドの隅で、いつも通りジュビアが話しかけてきた。

「どうした?」

何か言いたげにしているジュビアにそう言えば、ジュビアはようやく口を開いた。

「あの、えと…」

「?」

「な、何か…」

「何か?」

「き、気づきませんか?」

「…は?」

「ジュビアを見て…何か気づきませんか?」



何か…?



………。



全然わかんねぇ。



「…グレイ様のバカ!!」

「はぁ!?何だよいきなり!!」

そのままジュビアは走っていってしまった。

「…何だってんだ…」

さっぱり意味が分からなくて、飲みかけのグラスに目を向けると、女性陣の冷ややかな視線に気づく。

「…グレイ、あんた…酷いわね」

「男の風上にも置けん」

「ジュビアが可哀相よ」

「何だよそれ!?」

お前らまで何なんだよ。

ますますわかんねぇ。

「本当にわかんないの?」

「…俺なんかしたか?」

そう言うと、盛大に溜め息をつかれた。

「だめだわ。乙女心全然わかってない」

「何だよ乙女心って!」

いい加減イライラしてきた。

「昨日、ジュビア美容院行くとか言ってたなぁ」

「…は?美容院?」

美容院と今の話、何の関係が……

「…あ」

「ようやく気づいたか」

「遅いわよ」

「っ…」

何も言い返せなくなって、俺はギルドを飛び出した。


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