in the silver.
□銀の悪魔の作り方
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私にとって、妹は全てだったのだ。
成り代わりに戸惑い精神的に参っていた私を救ってくれたのは、妹だった。
両親が自分達を捨てて行方をくらました時も、妹が、守る対象がいるからこそ、私は無理矢理にでも強がることが出来たのだ。
妹はこの世界で唯一の神様であった。
神様を助ける為ならば、私は他人を殺すことの出来る人間だった。
まあ、だからシェリー、今は哀ちゃんだろうけど…の気持ちは痛いほどよく分かる。
私だってもし妹(哀ちゃんの場合は姉)を殺されたりしたら、殺人ウイルスぐらいは作り出すはずだ。
よって私はシェリーを捜す振りをしているだけだ。
だってもう別によくない?というのが正直な心情である。
口が裂けても言えないけど。
ガスルームに行く時アポトキシンを取り上げなかったのと、換気の窓のネジを前持って緩めてたのも私だし。
ちなみにあの時部屋に満たしたのは毒ガスでなく、フ⚪︎ブリーズ。
アポトキシンの副作用はかなり呼吸が苦しくなり喘ぐので、小さくなっている間に大量の空気を肺に入れてしまう。
だからもし本当の毒ガスだったら、部屋から脱出する前にお陀仏である。
そこで毒ガスの代わりに密かにフ⚪︎ブリーズを登場させたのだ。
シェリー脱出後の部屋は、爽やかな空気に包まれていたけど。
何はともあれ、私が先頭に立って探していることにすれば、私の元に情報が集まる。
そのおかげでギリギリ何とか逃がしてあげられるのだ。
でもマジで残念だ。
だって横にいるのが美形でも何でもないただの黒サングラスよりも、断然クールビューティーのハーフ、シェリーちゃんの方がいいに決まってる。
黒ずくめの男二人とかむさ苦しすぎる!
今は年齢の壁を軽々と超越した麗人、ベルモット様がいるので許容範囲内だ。