in the silver.
□ミステリートレイン後編
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哀ちゃあぁぁぁぁぁァァん‼︎‼︎⁉︎
私の心は大恐慌なう、である。
訳が分からない?
OK、じゃあ時間を到着1時間前に戻そうか。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ミステリートレイン到着1時間前
名古屋駅
「ベルツリー急行の到着まで後一時間じゃ!!皆の者!心してかかるんじゃぞ!!」
次郎吉さんの大声で、私は読んでいた雑誌から顔をあげた。
そっか、もう後一時間か。速いね、流石ノンストップ急行だけあるや。
……別に、待ち疲れて時計を確認するのもダルいとかなってないよ?
別に、雑誌の特集記事「心霊現象徹底解明!!」が面白過ぎて、時間見るの忘れていたとかもっとないよ?うん。
それにしても、何一つ解明出来てないのはどうゆうことなの。
真実はいつもひとつじゃなかったの?
心霊現象は手強いらしい。
私にならってウォッカも顔をあげ、私に向けた。
ちなみに、今までウォッカは私が雑誌と一緒に買ってきたパズルブックと格闘していた。
クロスワードパズルは得意らしく、変態的な語彙能力をみせたくせに数字パズルはさっぱりらしい。下手すぎる。
今チラッと見ただけで5つ埋まる数字がわかった私は、自分に原作ジンさん頭脳が入っていることを実感する。
でも、そのままの私頭脳だってウォッカほど下手じゃないよ。もともとパズルとかは得意分野だったのだから。
「そういえば兄貴、ベルモットにCー4が余ってんなら分けてくれって聞かれましたぜ?
一体何に使うつもりなんでしょうかね?
一応聞いたんですが…はぐらかされちまいやして……」
は?
はあぁぁァ⁉︎
世間話のノリで話し始めたが、それ、かなりの重要事項なんですけど⁉︎
「……なんでそれを早く言わねぇんだ…⁉︎」
私の様子を見て、ウォッカは「え?え?」とオロオロしだす。
コイツ、何も分かってねぇな⁉︎
Cー4、通称プラスチック爆弾。
オレンジ色の閃光が特徴的なアニメ漫画で大活躍の爆薬である。
もちろん名探偵コナンもその例に漏れない。
その理由として、C-4は、粘土状なので狭い場所にも仕掛けやすく、おまけに鈍感なので高温や炎、振動などで誤爆する可能性が非常に低いということが挙げられる。
一言で言えば、仕掛ける側にとっては非常に優秀な爆薬なのだ。ただ確実に爆発させるには、起爆装置が必要になるが。
爆薬そのものの特徴は、甘い味がすることだ。
但し、中毒になるのでお勧めはしない。
まあ、私は爆薬を舐める奴の気が知れないが。
ベルモットが今回Cー4を使うということは、使用目的はシェリーの抹殺で間違いない。
爆破という殺害方法はタイミングさえ誤らなければ、最も確実な方法である。