*。・SHORT STORY・。*

□RIVALvsRIVAL
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「リングマ、秘密の力だ。」

「グマァーッ!」

「ヘルルゥッ!!」





リングマの“秘密の力”がヒットし、野生のヘルガーはダメージを受け、怯んでいる。



シンオウリーグに向けて旅を続けているシンジは今、バトルの真っ最中…。



一瞬の隙を突いてモンスターボールをヘルガーに向かって投げるシンジ。

ボールは綺麗に弧を描いてヘルガーに命中する。





―――コロッ、コロッ、コロッ…ポン。





赤いランプが消えてボールの揺れが治まると、シンジはリングマをボールに仕舞い、ヘルガーが入ったボールを拾い上げる。





「…そこに居るんだろ?出て来たらどうだ。」





突然、彼は岩場の一点を見つめて言い放つ。


するとその声に応じてか、シンジの見つめる岩場の影から彼と同じ位の背丈をした少年が現れた。





「やはり気付かれてたか。」





少年は驚くでもなく、微笑を浮かべながらシンジの前に立つ。


その風貌はシンプルで、首には銀のペンダントが掛かっていて、それは黒い半袖のシャツから覗かせている。
そして下はサイドポケットの付いた薄紫色のズボンを着衣していて、よく似合っていた。





「僕はこの辺りに生息してるポケモンの調査をしているんだけど、君は…見た感じポケモントレーナーみたいだね。」

「だったら何だ?」

「別に?ただ…密猟者だったら早々に立ち去って貰おうと、ね。」

「…もし俺が密猟者だったらどうする?」

「勿論、今すぐここから立ち去って貰うよ。」

「嫌だと言ったら?」

「遠慮なくバトルして追い払うよ。」





口調は穏やかであるものの、明らかに少年の表情が強張っている。



シンジはある事を思い付き、先程ゲットしたヘルガーのボールを手に握り締めた。





「その様子だと、バトルにはかなり自信があるようだな?」

「まぁね。」

「俺と、バトルしないか?」

「いいだろう。一対一だ。」





少年もモンスターボールを取り出し、シンジの挑戦を受け入れる。



かくして、挨拶代わりのポケモンバトルが始まったのだった。



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