『アンケート夢』のムックー
□届かない想い もういい
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今日、武道館での本番を終えた研二は、すぐさまバイクで
帰宅した。
『はぁぁ〜』
帰るなり、ベッドに身を投げる。
つい眠りそうになるが、ファンから頂いたファンレターの事を思い出し、再び起き上がる。
『こんなに沢山の手紙…おで本当幸せ☆』
研二はありがたく思いながら手紙を開け、じっくり読んでいく。
『皆、「研二大好き!」って書いてる。本当元気もらうばい〜。』
明日は握手会で朝が早いのに、研二は手紙に興奮して、時間の事なんか忘れていた。
『ばりすいーとばい!』
夜中だというのにやたらとテンションが高い。
日にちが変わってもひたすら読み続ける研二。
残りわずかになった手紙の中に、甘い香りのする手紙が一枚あった。
『いい香り〜!おで、半勃起しちゃったばい!』
香水だけではなく、プリクラも貼ってあり、とても丁寧な方だと思った。
『ってこの子バリ可愛いばい!ヤバイ‼』
プリクラには研二のタイプの可愛い子が映っており、胸が熱くなるのを感じた。
『この子に一回あってみたいな〜。お‼明日の握手会に行くって!?やった〜!会えるばい!』
手紙には確かに、(明日握手会に行くのでまた研二に会えるね!嬉しい〜!)っと書いてある。
研二は嬉しくなり、ついに踊りだす。
『ウェーイ!ウェーイ!ワッハハ〜イ!』
近所迷惑だろう……。
『いかん!明日起きれない!もう寝よ!』
ようやく時間に築いた研二は、白塗りを落とすために洗面所に行く。
ベッドに入っても、研二はあの子のことが忘れられなかった。
『あの子におでの気持ちを伝えるにはどうしたらいいのだろう?』
いろいろ考えてるうちに、研二は寝てしまった。
翌朝、握手会を行う場所に向かう途中も、研二はまだあの子の事を考えていた。
『剥がしがいるから直接言えないし…そうだ、メモに書いて築かれないように渡そう!』
メモとペンを取り出し、自分の想いをそのまま書いていく。
『よし。』
そのメモをちっちゃく折り、ポケットに入れておく。
『どうか、無事に渡せますよーに。』
握手会の事より、手紙を渡すことの方が大切の思えた。
1時30分
それぞれメンバーがスタンバイしたところで、ようやく握手会が始まった。
キリショーのところには沢山のファンが並んでおり、どのメンバーよりも人気だった。
それに比べて研二のところにはあまりファンが並んでいなかった。
そんなことも知らずに、研二はファン一人一人に握手していく。
列には研二がみたところ、小学生や、女性、さらに、おばあちゃんまで並んでいた。
『おばあちゃんまでもがきてくれたんだ…(泣)』
ありがとうね〜っと返しながら列をチラ見すると、前から五番目のところに、見覚えのある可愛らしい女の子が並んでいた。
『あっ、あの子!本当に来た!』
研二は急に緊張し始める。
そして、ついに彼女の番に…!
『次どうぞ〜。』
『あっあの、研二さ、ん今日もかっくぉっ、カッコイイですね!』
言葉を噛んでしまい、緊張しているのが丸わかりだった。
『ありがとう〜。これからもよろしくね。』
彼女の小さな手を握る。研二も緊張していて、頭が混乱してしまう。
『研二さん、わたし、…研二さんの事大好きです!』
彼女の顔が真っ赤になる。
その間、ポケットからメモを築かれないよう出していた。
『おっさん照れる〜。おでも、その、』
メモを渡す準備はできている、だが、言葉がうまく出てこない。
もたもたしてる間、ついに剥がしが彼女を外に連れて行ってしまった。
『あっちょ!』
目の前には別の人、もう手遅れだった。
『最悪だ…』
今日はモヤモヤしたまま握手会をやり、本当に最悪だった。
ただ、君にこの気持ちをを伝えたかった。君は可愛くて愛おしくて、…。また、会いたい、もっと君のことが知りたい。でも、もう会えることはないだろう。例え会えたとしても、きっとこの想いは伝わらないのだろう…。