Silver Sword

□第4章
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「お前等今の名前は?」

 落ち着いた所でギンが問う。

「えー……いや、あの……言わなきゃ駄目ですか?」

「あ?名前言えねーのかよ」

 戸惑った新八を、シンがギロリと睨む。

「っていうか!なんでお前が私たちよりも先に銀ちゃんと会ってるアルか!片目!」

「しょうがねェだろ?俺はギンの…銀時の幼馴染だからな」

「ムキー!私達は銀ちゃんの家族アル!」

 神楽とシンが喧嘩をし始め、メンチを切りあっている。

「おいコラ。シンに神楽。何やってんだ、テメーらは」

「だって銀ちゃん!こいつが!」

「こいつが悪ィ。俺は悪くねェ」

 ギンの呆れたような問いかけに、2人はいがみ合ったまま答えたのでお互いの頭にゴツッと拳骨を落としてから、ギンは再び新八を見た。

「で?ホントにお前等今は何て名前なんだ?」

「私がバルムンク=フェザリオンで、新八がアイザック=シュナイダーアル!」

「……………………………は?」

 神楽の発した言葉を、一瞬理解できなかった。

「因みに、現実世界では私と新八は双子アル!……本当にうぜーけどな」

「ちょっとぉ!?今標準語で辛辣な言葉聞こえたんだけど!!」

「うっせーヨ、メガネ」

 昔と変わらない2人の会話でギンは漸く先程神楽が言った2人の名前を理解し、ちょっと待て、と騒ぐ2人を止めた。

「その名前って、ビチグソ丸じゃね?」

「だから嫌だって言ったじゃないか!」

「しょうがないヨ。それ以外思いつかなかったアル」

「いや、それもおかしくね?」

 ギンが苦笑しながら言った。

「とにかく、僕の事は普通に新八で良いですよ。流石に『アイザック=シュナイダー』とかは嫌なので…」

「じゃあ、私はカグラで良いアル!お前はぱっつぁんヨ」

「えー…まぁ、良いけど…。っていうか、僕も普通に新八じゃ駄目なの!?」

「……別にどーでも良いアル」

 というわけで、なんとか『カグラ』と『シンパチ』で解決したようだ。

「銀ちゃん!」

「んー?ってか、俺今『ギン』だから。…まぁ、呼び方は置いといて。で?どうした?カグラ」

 ギンはとりあえず名前の訂正をしてから問い返す。

「また一緒に万事屋やるアル!」

「万事屋を?」

 そうアル!と神楽はニコッと笑った。

「万事屋やりましょうよ、ギンさん!」

「ギンちゃん、万事屋やりたいアル!」

 シンパチとカグラがキラッキラとした目でギンを見ている。

「あぁ?ふざけんな。ギンは俺とパーティー組んでんだ。テメェ等と遊んでる暇はねェ」

「お前は黙ってるヨロシ!私達は万事屋をやるアル!」

「だから、俺達はこのデスゲームからとっとと脱け出してェんだよ。邪魔すんな」

「邪魔はお前アル!万事屋は遊びじゃないネ!」

 やはりこの2人の仲は悪いようだ。

「あー、もう…分かったから、いい加減にしろ。でないとどっちとも関わらねェぞ」

「「それはダメだ/アル」」

 ギンの一言でピタッと2人の喧嘩が止まった。

「流石、ギンさんですね」

 シンパチが苦笑しながらそう言った。

「ったく…ガキかよ、テメェ等は。……まぁ、万事屋はやっても良いけど」

「ホントアルか!?」

「あぁ!?何言ってんだ、ギン」

 ギンの言葉で嬉しそうに顔を輝かせるカグラと、逆に顔をしかめるシン。

「あー……。っつーか、シンとのパーティーは解消しねぇよ?ただ、そこにコイツら2人入れて、4人で万事屋やろうぜ?それにまぁ、何をするにも金が必要なわけだし、仕事はあっても良いかなーとか思うわけよ」

「こいつもアルか〜?…まぁ、ギンちゃんの頼みならしょうがないから仲間に入れてやってもいいアル」

 ふふん、と上から目線でカグラが言うと、シンはギロリとカグラを睨んだ。

「別にギンが言うなら俺は良い。……だが!コイツだけは良くねェ」

「私だってお前と仲良くなんてしたくないアル!」

「だぁーかぁーらぁー………いい加減にしろって言ってんだろーがァァァァァァ!!!!」

 再び睨み合いを始めてしまった2人の間にギンが割って入った。

「いい加減にしねェと、本気でテメェ等と口きかねェ」

「ちゃんと良い子にするアル!」

「ギンの頼みだからなァ」

 そして結局4人は『万事屋ギンちゃん』をやる事になったのだった。







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