君との物語
□えぴそーど[
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相手チームは躊躇したが、銀時が怖かったのでいかないとヤバいと感じた。それでも相手チームは謝るなんて事は出来なかった。
なぜなら綱吉は叶子を苛めた『とされている』からだ。
「っこの最低野郎がァァ!!」
相手チームの一人が綱吉に向かってボールを投げた。
「ツナ!」
銀時が叫ぶと綱吉は気づいて慌てて避けた。が、その後ろにいたのは、男子の横で同じくバスケをやっていた女子、京子。
「京子ちゃん!!危ない!!」
京子が綱吉の声に気付いて振り向くが、一般時にはとても避けられない。
その瞬間綱吉がその場から消えた。いや、京子の方へ走ったのだ。
「京子ちゃん!!」
そしてボールより速くツナが京子のもとに辿り着いた。そして京子の前に立った。
「!?ツナく――――」
バコォォォン!
綱吉はボールを顔面でキャッチし、その勢いで足元がふらつき、そしてバタンと倒れた。
「あーあ。なーにやってんだかねぇ、ツナは。せめて何かで防ぐとかもっと他に方法あっただろうに」
「うぅ……」
綱吉の鼻は真っ赤になっており、涙目になっている。
「しょうがねーなぁ……。せんせー、ちょっくら保健室いってきまーす」
よっこらせ、と言って綱吉に肩を貸し、立ち上がった。
「だ、大丈夫だよ、銀さん」
「一応だ一応。……おい秋山、滝川、山村、悪いけど俺達抜けるわ」
「金山に谷川に中村な。……いいぜ、別に」
「俺達だったらそこら辺のチームと一緒にしてるからさ」
「お大事に〜、沢田」
三人は苦笑しながらも、綱吉を気遣いながら手を振った。
「それとよォ、テメェ等」
銀時は顔を先程戦ったチームの方を向けた。彼らはビクッと肩を動かした。
「後でちょーっとお話ししような?」
銀時が黒い笑みを浮かべながら言うと、彼らは顔を真っ青にし、冷や汗を流しながら、ひぃっと怯えたような悲鳴を小さく上げた。
銀時はそれを無視して保健室に向かった。
「あ、あの銀さ「おい、ツナ。さっきのキモ子の顔見たか?」え?」
「だから、バスケの途中と、終わった後、キモ子の顔見たかって言ってるの」
どうしてそこで叶子の名前が出てくるかが分からなかったが、とりあえず答えた。
「……見て、ないけど……」
見てない、と言うよりも見れないのだ。あの顔を見るたびに恐怖が襲ってくる。顔を合わせたらまた獄寺たちに嘘をついて、苛められるんじゃないか。そう思ってしまう。
だから、いつも極力叶子の方を見ないようにしている。
「そっか。じゃああの面白い顔は見てねェのか」
「面白い顔?」
「あぁ。あのキモ子の顔と言ったら……クッ」
銀時は肩を揺らしながら笑った。
「いやー、傑作傑作」
「そ、そんなに面白かったの?」
綱吉が訊くと、銀時は笑いながら「あぁ」と言った。
「後でリボーンに見せてもらえ」
「何でリボーン?……まさか」
「そのまさかなんだよねぇ。実は写真撮ってもらうよう頼んだんだ」
銀時は面白そうににやにやと笑う。何故かリボーンもニヒルな笑みを浮かべているのが頭に浮かんで、綱吉は思わず顔が引きつった。
「焼き回ししてばら撒いてやろうかな〜」
「そ、それはちょっと……」
「いっそのこと1000円くらいで」
「しかもお金取るの!?っていうか高っ!?」
銀時が冗談(少し本気)で話しているうちに保健室についた。
ガラッ
「失礼しま―――」
「あ?俺は男はみn―――」
「したー」
ピシャン!
銀時が中にいる人物を見た瞬間戸を閉めた。
「え?銀さん?もしかして」
「ないよー。あんな奴知らねぇもん俺。あんな女好きのオッサンなんて知らねぇもん」
「おいおい、そりゃねェだろーよ」
銀時が締めてしまったドアを開けて中から出て来たのは、白衣を来てひげを生やした男だった。
「あ、シャマル……」
その男とは並盛中の保健室の教師、Dr.シャマルだった。
「よぉ、沢田……っておまっ、その顔どうした!?まさかまたあの女に!?」
「え、いや、今日はそうじゃなくって」
「頭がマジで狂ってる阿呆な男子が投げたバスケットボールがキモ子側につく女子に当たろうとした所を沢田 綱吉君が助けようとして顔面キャッチしましたってことで早く治療しやがれコノヤロー」
ほぼ一気に言い切った銀時は、もの凄くめんどくさそうな顔をしていた。
「んだよ、そう言う事なら早く言えよな〜。……ほれ、早く座れ」
シャマルは道を開け、綱吉と銀時を中に通した。
えぴそーど[
協力して得たもの
完
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