君との物語

□えぴそーどY
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「お前……」


綱吉はまた裏切られるのか、と悲しくなり、俯いて目をギュッとつぶった。




















「ペットボトルで工作でもするつもりだったのか?」




「え?」


「だってペットボトル+カッター=工作だろ?」

「テメェどういう思考回路してんだよ!?」

思わず獄寺もツッコんだ。

「え?違うの?じゃあ……ペットボトルのキャップが開けられずにカッターで切って開けようと……」

「それ位オレだってできるよ!!」

「そ、そうだよな。あー、ビビった」

何故かホッとしている銀時に獄寺がキレる。

「ふざけてんのか!!どう見たって沢田が十代目をカッターで斬りつけようとしたに決まってるだろ!!」

それに山本は頷き、叶子はわざとビクッとして見せ、山本の後ろに少し隠れた。

「はぁ?何言ってんのお前」

銀時は呆れた様子だった。

「何処をどう見たらツナがキモ子を斬りつけるように見えるんだよ。頭大丈夫?」

「坂田だけには言われたくないのな」

それに関しては綱吉も同感だった。

「ツナは刃を逆にして持ってたんだぞ?」

「それがどうした!!」

「人を斬りつける時に刃をついている方を向けずに、どうやって斬るんだよ」

「持ちかえたかもしれねぇじゃねェか!」

「なんで人殺すって時にわざわざ持ちかえるんだよ」

銀時は平然と返す。獄寺たちもさすがに少しおかしいと思い始めた。

それに叶子はおずおずと銀時に上目づかいで訊いた。

「えっと、銀時クンは私が嘘をついてるって言いたいのぉ?」

「別にお前が嘘ついたなんて一言も言ってねぇけど?って言うかお前が獄寺たちに言ったんだ?『ツナに襲われた』って」

その時、銀時がにやりと笑った気がした。同じに一瞬だけだが叶子の顔が歪んだ。

「誰だってあの状況みりゃあそう思うだろ」

「それに叶子が嘘つくわけないのな」

「へ〜?じゃあ俺はツナが嘘つくとは思えないし、人を傷つけるなんて事しないと思う」

銀時が自分を信じてくれたことが嬉しかった。あの場を目撃してもなお、自分の味方でいてくれることが嬉しかった。

獄寺は目をスッと細めた。

「……テメェ、十代目を馬鹿にする気か?」

「ただ思った事を言っただけだが?馬鹿にするように聞こえた?ごめんねー黒米君」

「だからオレは黒米じゃねェ!!」

「だいたい、俺が誰を信じようが俺の勝手だ。テメェ等に決められる筋合いはねェ」

「あ?テメェはボンゴレの部下だろ?」

綱吉はばっと銀時の顔を見た。銀時はもの凄く嫌そうな顔をしていた。

「え?坂田ってボンゴレの部下なのか?」

「あぁ。正式にはアイツのファミリーだけどな」

綱吉も、山本も叶子も驚いた。

そして叶子はニコリと笑った。

「じゃあ銀時クンは私達の仲間なんだね♪」

びくりと肩を震わせた綱吉は、恐る恐る銀時の顔を見た。銀時の顔は―――笑っていた。


ただ、優しくなんかも暖かくもない、冷たく軽蔑するような笑みだった。


「仲間ァ?いつ俺がボンゴレの仲間になった?誰が薄汚ねェ、裏切りファミリーなんざの部下になるかよ」

その笑みに三人は本当にさっきまでの銀時なのかと疑い、少し冷や汗が出た。

獄寺は何度か見たことがあるらしく、驚いた様子もない。

「だがテメェは―――」

「うるせェよ。さっさと失せろ。それともそんなにさっきの真実が知りたいか?教えてやるよ。この証拠で」

銀時は自分の弁当箱に近づいて、袋の中から取り出したのはボイスレコーダー。それを見た叶子は驚愕の色に染まり、銀時を睨んだ。

「何でそんな物使ってたんだよ!!」

「んな事どうでも良いだろ?で?聞くのか聞かないのかどっちだ?俺ァツナがやってねェって自信があるからここでけりつけても構わねェぜ?」


「上等だ!ここで真実を―――」


   
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