君との物語

□えぴそーどX
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「俺はツナ意外に教える気はねェぞ」

肩にひょいっと乗っかってきたのはリボーンだった。

「言ってみただけだろ。俺だってあんな奴等教えたくもねェ」

「それよりギンパチ」

「今は銀時な」

「知ってるぞ。冗談だ」

「ウゼェ。お前マジで死ね」

銀時が睨むのも気にせず、リボーンは話しを進めた。



「お前、何処でアイツと知り合った?」

「あ?アイツ?……あぁ、何だっけ。ピノ キノコ?」

「志野 叶子だ」

「あー、はいはい。キモ キモ子ね」

全然わかってないが、大体は通じたらしい。



「俺、マジでアイツ知らね」

「「……はぁ??」」

「いや、マジで知らねェんだって」

「え、でも昨日助けてくれてって……」

銀時は少し悩んでいたが、何かを思い出したようで「あ」と言って顔を上げた。



「そう言えば会ったな、昨日」

「何時だ」

「あー、俺昨日夕飯前に出かけただろ?そん時にメンドくせ〜からこの姿になって歩いてたんだよ。あ、ちなみに昨日は夕飯の買い物と、学校においてきた俺の原チャリをとりにいったんだけどよぉ」

銀時はいつも銀魂中学生へ行くときに乗っている原チャリがあるらしいのだが、それを綱吉を追いかけて来たときに乗らず、そのまま学校に置きっぱなしらしかった。それを取りに行ったという。

「んで、買い物も終わって、原チャリも取ってきたし帰ろうとしたときに、あの女が不良に絡まれてて、暴力振ろうとしてたから助けた……。あ、助けたわ、うん」

だいたい不良に絡まれている所を助けようとする辺りが凄いと思った。

「お前、あの女のこと……」

「知る訳ねェだろ?そもそもこの学校とも知らなかったよ」

「……本当だろうな?」

「本当だよ」

リボーンは銀時を一睨みすると、綱吉の肩から降りた。

「ギントキ、俺は用事があるからいなくなるが、ツナを危険な目に遭わせたら承知しねェからな」

「へいへい」

そうしてリボーンは消えていった。

「リボーン心配性だなぁ……」

「まぁ、それもあるけど、俺だからってのもあるだろうな」

「え?何で銀さんだとなんですか?」

「気にすんな」

いつの間にか食べ終わっている銀時は弁当箱を片付け始めた。そして更に出したのは、イチゴ味のプリン。

「……銀さん甘い物好きですね」

「糖分は世界を救うんだよ」

「そんな物で救えたら皆幸せですよ」

「じゃあ糖分は俺を救う」

「結局銀さんだけじゃないですか!!」

銀時はスプーンでプリンをすくい、一口食べると笑顔で頷いて「うまい!と言う。

「つーかさー、沢田」


スプーンを綱吉に向けた。


「敬語」


「へ?」


「だから、敬語止めてくれねェか?」

銀時はスプーンをおろし、再びプリンを食べ始めた。

「え、でも、先生ですし……」

「今は、っつーか本来同い年だろ?同い年に敬語っておかしいだろ。俺もこれからは『ツナ』って呼ぶから、お前も敬語無しな?」

「で、でも「お前に拒否権はありません」そ、そんな……」

「いいじゃん、『ツナ』」

そう呼ばれて少し戸惑ったが、あだ名で呼んでくれたことが嬉しかったので、笑って「うん」と言った。

「それでよし」

銀時も満足そうに頷いた。

「あ、そういや、携帯の番号聞いてなかったな」

「そうでs……だね」

敬語になりそうなのを何とか直す。そして携帯電話と、メールアドレスを交換した。

「これで良しっと。何かあったら電話でもメールでも良いからしろ。あー、緊急時はワンコールでもいいや」
「……うん」

銀時はイチゴプリンを、綱吉はお弁当を食べ終わると二人とも片付け始めた。

「はぁ。にしても、暇だなー。ジャンプ読みてー」

「またジャンプ?昨日も読んでまs……読んでたよね?」

「俺はいつもジャンプ読めるように教務室に置いてあるんだよ」

「学校で読むの!?」

綱吉は「本当に教師だったのかな」と疑った。

「つーかやっぱ無理」

そう言って銀時はピシリとした服装を着崩していった。ブレザーのボタンを全て開け、ネクタイをかなり緩め、ボタンを第二ボタンまで開けた。そしてシャツも出した。

「やっぱ堅苦しいのは無理だな、うん」

「先生の時も結構だらしない格好してたよね……」

「あれ位が良いんだよ。ピシッとしてんのはなんかヤダ」

「子供!?」

つっこむ綱吉の頭に手をポンッと乗せた。

「やっぱツッコミいないとなー」

と意味の分からぬことを言って、立ち上がった。

「え、あ、何処に行くの?」

「飲み物買ってくる。綱吉何が良い?つーかお茶で良い?」

「あ、オレも行くよ!」


「いーっていーって。座ってろよ」


銀時はひらりと手を振って屋上から出て行った。



銀時は気を使ったのだろうが、綱吉にはなんだか一人になるのが怖かった。何故か、超直感が危険だと知らせていたからである。




超直感は良い事も悪いことも当ててしまう。だから、これも、当たってしまう。








 バンッ!!









「綱吉クン、みーつけた!」











笑顔で屋上の戸を開けて出て来たのは、現ボンゴレ十代目の叶子だった。





えぴそーどX
 銀色の正体と悪い予感
 完


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